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「スパイスの女王」。清涼なフローラル
カルダモンは、ショウガ科の多年草の果実を使うスパイスです。香りがあるのは莢の中の黒い種子で、莢そのものはほとんど香りません。
「スパイスの女王」と呼ばれます。いま生産の中心はグアテマラですが、消費の中心はアラブ諸国で、コーヒーに落として飲む習慣が続いています。
最初に来るのはユーカリのような清涼感です。鼻に抜ける、あの冷たい感じ。そのあとに柑橘と花が続き、最後にわずかな刺激が残ります。三段構えの香りなので、少量でも印象に残ります。
莢のまま買ってください。挽いたパウダーは驚くほど早く香りを失います。莢は種子を守る器で、割った瞬間から時計が動きはじめる、と考えると扱いを間違えません。
乾煎りすると顔が変わります。清涼感が後ろに下がり、スモーキーなナッツの側が出てくる。同じカルダモンとは思えないほど違うので、菓子と料理で炒り分ける価値があります。
香りの行き先
しびれをもたらす素材で、香りの高いカルダモンとは役割がまるで違います。ところが香りの成分を三つ分け合っている。花椒の柑橘とカルダモンの柑橘は、同じ方向を向いています。四川の料理にカルダモンを落としても壊れないのは、このためです。
名前は最も近いのに、別属の別種です。こちらは燻された香りが主役で、甘さも花もない。歴史的には「香りの劣る代用品」として扱われてきましたが、燻香という点ではカルダモンには出せないものを持っています。代用ではなく別の道具です。
同じ方向の涼しさを厚くする組み合わせ。ローリエはほろ苦さを、ナツメグは温かみを、オールスパイスは甘さを一緒に連れてきます。涼しさの質を選べる、と考えてください。
生の生姜と組むと、甘い柑橘の側がまっすぐ伸びます。コリアンダーは刺激がないので、量を気にせず足せる。カルダモンの香りを軽くしたいときに。
チャイの基本形です。カルダモンの高さと、カシアの太さ。一方だけだと物足りないところを、二つで立体にします。
入れどき
はじめ、潰して油に
莢のまま
莢を割ると油が出る。潰さないとほとんど香らない。
途中、液体に浸す
莢のまま
紅茶や牛乳に香りが移る。チャイの背骨。
最後、種子を挽いて
種子
清涼感がまっすぐ立つ。加熱しないほうが強い。
包丁の腹や麺棒で莢を軽く潰し、隙間ができたら油へ。ここを省くと、莢がただ浮いているだけになります。莢ごと入れて構いませんが、必ず割ってください。
潰した莢を紅茶や牛乳と一緒に煮出します。香りの成分は水に溶けにくいので、牛乳のように脂肪があるものと合わせると移り方がよくなります。
莢から種子を取り出して、すり鉢で挽きます。火を通さないぶん、香りがそのまま立ち上がる。菓子や果物に使うならこの形です。
莢の大きさに幅があるので、粒数はあくまで目安です。潰したときの香りの強さで加減してください。多すぎると石鹸のような印象になります。
鶏、白身魚、フルーツ、焼き菓子、コーヒー、紅茶。淡白なものと甘いもの、どちらにも向きます。カルダモンは香りが高い位置にあるので、素材の味を覆いません。上に乗せる香り、と考えるとうまくいきます。
味の濃い赤身肉や、脂の強い料理では埋もれます。使うなら量を増やすより、他のスパイスと組んで足場をつくってください。
カルダモンコーヒー。ドリップする前の粉に、潰した莢を1粒落とすだけです。淹れ上がりの湯気の香りから変わります。砂糖を入れなくても、甘い印象になります。
莢のまま買ってください。挽いたパウダーは香りの落ちが早く、買ったときの半分も残らないことがあります。
黄緑色のものを選びます。真っ白な莢は漂白されたもので、香りが弱いことが多い。莢がふっくらして、振ると中で種子が動く音がするものが上等です。
密閉して冷暗所へ。莢のままなら一年ほど保ちます。潰したら、その日のうちに使い切るつもりで。
Inspiceは、カルダモンを15のブレンドに使っています。チャイ全種、カレー全4作、ディッシュ、ベチバーティー。出番の多さではコリアンダーに次ぎます。
とくにチャイでは、カシアと対にして置いてあります。カシアの太くまっすぐな甘さに、カルダモンの高さと清涼感を重ねる。どちらか一方だけでは平板になるところを、二つで立体にする設計です。
ベチバーティー シンフォニーNo.2は、素材が三つしかないブレンドです。そのうちの一つがカルダモン。逃げ場のない構成なので、ここでは香りの高さそのものが商品の性格になっています。
カルダモンは、Inspiceの15のブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。
チャイ(スパイスパック)「カカオニブチャイ スパイスパック」 2パック入りカカオニブの重さに対して、上へ抜ける道をつくっています。
チャイ(スパイスパック)「チャイ スパイスパック」 2パック入りカシアと対になる位置。太い甘さに高さを足して、チャイを立体にしています。
チャイ(CHAInstant)4 FLAVOR CHAInstant PACK「4フレーバー チャインスタント パック」4種の詰め合わせ。フレーバーが変わっても、カシアとの対だけは全種で崩していません。
チャイ(CHAInstant)CACAONIBS CHAInstant「カカオニブチャイ インスタント」カカオが主役の一杯で、香りが下に溜まらないようにする役。
チャイ(CHAInstant)CHAInstant「チャイ インスタント」チャイと同じ設計。溶かして飲む形でも、カシアとの対は崩していません。
チャイ(CHAInstant)Golden CHAInstant「ゴールデンチャイ インスタント」ターメリックの土から、上へ逃がす。ゴールデンが重くならない理由のひとつです。
チャイ(CHAInstant)HotBoost CHAInstant「ホットブーストチャイ インスタント」生姜と唐辛子の熱の上に、涼しさを一枚。熱だけにさせないための配置です。
チャイ(CHAInstant)MINT CHAInstant「ミントチャイ インスタント」三種のミントと同じ涼しさの側から支える役。ミントより手前で香ります。
チャイ(CHAInstant)Yomogi CHAInstant「ヨモギチャイ インスタント」よもぎの青さと同じ高さに並べて、和の香りを浮かせています。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.2骨格を支える位置。ターメリックの土に対する天井です。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.3五香粉の甘さの上に、清涼感で天井をつくる役。莢ごと入れて構いませんが、必ず潰してください。香りは中の種子にあり、莢は器です。潰さずに入れると、ほとんど香りません。菓子に使うなら、種子だけ取り出して挽きます。
別属の別種です。ブラックカルダモンは燻して乾かすため、煙の香りが主役になります。カルダモンの甘さや花の香りはありません。名前は近いのですが、代用にはなりません。
使えますが、香りの落ちがとても早いスパイスです。買ってすぐは十分香りますし、忙しいときには助かります。ただし本来の三段構えの香りは、莢から出したてのものでしか味わえません。
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