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Inspiceスパイス事典カルダモン
カルダモン(カルダモン)
Green Cardamom

カルダモン

「スパイスの女王」。清涼なフローラル

カルダモンは、ショウガ科の多年草の果実を使うスパイスです。香りがあるのは莢の中の黒い種子で、莢そのものはほとんど香りません。

カルダモンとは

学名
Elettaria cardamomum
科名
ショウガ科
使用部位
果実(莢の中の種子)
原産地
南インド・スリランカ
主な産地
グアテマラ(世界最大)、インド
和名
小豆蔲(しょうずく)
別名
グリーンカルダモン、スモールカルダモン、スパイスの女王
流通の形
ホール(莢)/種子/パウダー

「スパイスの女王」と呼ばれます。いま生産の中心はグアテマラですが、消費の中心はアラブ諸国で、コーヒーに落として飲む習慣が続いています。

どんな香り

最初に来るのはユーカリのような清涼感です。鼻に抜ける、あの冷たい感じ。そのあとに柑橘と花が続き、最後にわずかな刺激が残ります。三段構えの香りなので、少量でも印象に残ります。

莢のまま買ってください。挽いたパウダーは驚くほど早く香りを失います。莢は種子を守る器で、割った瞬間から時計が動きはじめる、と考えると扱いを間違えません。

乾煎りすると顔が変わります。清涼感が後ろに下がり、スモーキーなナッツの側が出てくる。同じカルダモンとは思えないほど違うので、菓子と料理で炒り分ける価値があります。

香りの行き先

カルダモン

意外に近い

カルダモンにも固有の香りはありません。すべて誰かと分け合っている。「スパイスの女王」と呼ばれるほど印象が強いのに、じつは橋渡し役でもある——ここがカルダモンの面白いところです。

一緒に使うと伸びる

甘さと組む

カルダモンの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

赤花椒

しびれをもたらす素材で、香りの高いカルダモンとは役割がまるで違います。ところが香りの成分を三つ分け合っている。花椒の柑橘とカルダモンの柑橘は、同じ方向を向いています。四川の料理にカルダモンを落としても壊れないのは、このためです。

ブラックカルダモン

名前は最も近いのに、別属の別種です。こちらは燻された香りが主役で、甘さも花もない。歴史的には「香りの劣る代用品」として扱われてきましたが、燻香という点ではカルダモンには出せないものを持っています。代用ではなく別の道具です。

一緒に使うと伸びる素材

清涼感を重ねる ── ローリエ、ナツメグ、オールスパイス

同じ方向の涼しさを厚くする組み合わせ。ローリエはほろ苦さを、ナツメグは温かみを、オールスパイスは甘さを一緒に連れてきます。涼しさの質を選べる、と考えてください。

柑橘を伸ばす ── ジンジャー、コリアンダー

生の生姜と組むと、甘い柑橘の側がまっすぐ伸びます。コリアンダーは刺激がないので、量を気にせず足せる。カルダモンの香りを軽くしたいときに。

甘さと組む ── カシア、シナモン

チャイの基本形です。カルダモンの高さと、カシアの太さ。一方だけだと物足りないところを、二つで立体にします。

料理への応用

入れどき

はじめ、潰して油に

莢のまま

莢を割ると油が出る。潰さないとほとんど香らない。

カレーピラフ煮込み

途中、液体に浸す

莢のまま

紅茶や牛乳に香りが移る。チャイの背骨。

チャイコーヒーホットワイン

最後、種子を挽いて

種子

清涼感がまっすぐ立つ。加熱しないほうが強い。

焼き菓子ヨーグルトフルーツ
カルダモンを、いつ入れるか

はじめ、潰して油に莢のまま

包丁の腹や麺棒で莢を軽く潰し、隙間ができたら油へ。ここを省くと、莢がただ浮いているだけになります。莢ごと入れて構いませんが、必ず割ってください。

途中、液体に浸す莢のまま

潰した莢を紅茶や牛乳と一緒に煮出します。香りの成分は水に溶けにくいので、牛乳のように脂肪があるものと合わせると移り方がよくなります。

最後、種子を挽いて種子

莢から種子を取り出して、すり鉢で挽きます。火を通さないぶん、香りがそのまま立ち上がる。菓子や果物に使うならこの形です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど莢1粒香りに高さが出る。カルダモンとは気づかれない
効かせる莢2〜3粒カルダモンの香りだとわかる。ふだんはここ
主役にする莢4〜5粒カルダモンの料理になる

莢の大きさに幅があるので、粒数はあくまで目安です。潰したときの香りの強さで加減してください。多すぎると石鹸のような印象になります。

この食材と合う理由

鶏、白身魚、フルーツ、焼き菓子、コーヒー、紅茶。淡白なものと甘いもの、どちらにも向きます。カルダモンは香りが高い位置にあるので、素材の味を覆いません。上に乗せる香り、と考えるとうまくいきます。

味の濃い赤身肉や、脂の強い料理では埋もれます。使うなら量を増やすより、他のスパイスと組んで足場をつくってください。

うまくいかないときの直し方

  • 香りが弱い莢を潰していない可能性が高いです。割って隙間をつくってから使ってください
  • 苦い・えぐい莢ごと挽いています。莢は繊維で、香りはほとんどありません。種子だけを取り出してください
  • 石鹸のような匂いになった入れすぎです。カルダモンは香りが高い位置にあるので、量が過ぎると人工的に感じられます

一皿の設計例

カルダモンコーヒー。ドリップする前の粉に、潰した莢を1粒落とすだけです。淹れ上がりの湯気の香りから変わります。砂糖を入れなくても、甘い印象になります。

選び方・保存

莢のまま買ってください。挽いたパウダーは香りの落ちが早く、買ったときの半分も残らないことがあります。

黄緑色のものを選びます。真っ白な莢は漂白されたもので、香りが弱いことが多い。莢がふっくらして、振ると中で種子が動く音がするものが上等です。

密閉して冷暗所へ。莢のままなら一年ほど保ちます。潰したら、その日のうちに使い切るつもりで。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、カルダモンを15のブレンドに使っています。チャイ全種、カレー全4作、ディッシュ、ベチバーティー。出番の多さではコリアンダーに次ぎます。

とくにチャイでは、カシアと対にして置いてあります。カシアの太くまっすぐな甘さに、カルダモンの高さと清涼感を重ねる。どちらか一方だけでは平板になるところを、二つで立体にする設計です。

ベチバーティー シンフォニーNo.2は、素材が三つしかないブレンドです。そのうちの一つがカルダモン。逃げ場のない構成なので、ここでは香りの高さそのものが商品の性格になっています。

カルダモンが働いている商品

カルダモンは、Inspiceの15のブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

カルダモンが骨格を支えている

「カカオニブチャイ スパイスパック」 2パック入りのパッケージチャイ(スパイスパック)「カカオニブチャイ スパイスパック」 2パック入りカカオニブの重さに対して、上へ抜ける道をつくっています。「チャイ スパイスパック」 2パック入りのパッケージチャイ(スパイスパック)「チャイ スパイスパック」 2パック入りカシアと対になる位置。太い甘さに高さを足して、チャイを立体にしています。4 FLAVOR CHAInstant PACK「4フレーバー チャインスタント パック」のパッケージチャイ(CHAInstant)4 FLAVOR CHAInstant PACK「4フレーバー チャインスタント パック」4種の詰め合わせ。フレーバーが変わっても、カシアとの対だけは全種で崩していません。CACAONIBS CHAInstant「カカオニブチャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)CACAONIBS CHAInstant「カカオニブチャイ インスタント」カカオが主役の一杯で、香りが下に溜まらないようにする役。CHAInstant「チャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)CHAInstant「チャイ インスタント」チャイと同じ設計。溶かして飲む形でも、カシアとの対は崩していません。Golden CHAInstant「ゴールデンチャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)Golden CHAInstant「ゴールデンチャイ インスタント」ターメリックの土から、上へ逃がす。ゴールデンが重くならない理由のひとつです。HotBoost CHAInstant「ホットブーストチャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)HotBoost CHAInstant「ホットブーストチャイ インスタント」生姜と唐辛子の熱の上に、涼しさを一枚。熱だけにさせないための配置です。MINT CHAInstant「ミントチャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)MINT CHAInstant「ミントチャイ インスタント」三種のミントと同じ涼しさの側から支える役。ミントより手前で香ります。Yomogi CHAInstant「ヨモギチャイ インスタント」のパッケージチャイ(CHAInstant)Yomogi CHAInstant「ヨモギチャイ インスタント」よもぎの青さと同じ高さに並べて、和の香りを浮かせています。スパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.2のパッケージスパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.2骨格を支える位置。ターメリックの土に対する天井です。スパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.3のパッケージスパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.3五香粉の甘さの上に、清涼感で天井をつくる役。

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よくある質問

カルダモンは莢ごと使うのですか?

莢ごと入れて構いませんが、必ず潰してください。香りは中の種子にあり、莢は器です。潰さずに入れると、ほとんど香りません。菓子に使うなら、種子だけ取り出して挽きます。

ブラックカルダモンとは何が違いますか?

別属の別種です。ブラックカルダモンは燻して乾かすため、煙の香りが主役になります。カルダモンの甘さや花の香りはありません。名前は近いのですが、代用にはなりません。

パウダーではだめですか?

使えますが、香りの落ちがとても早いスパイスです。買ってすぐは十分香りますし、忙しいときには助かります。ただし本来の三段構えの香りは、莢から出したてのものでしか味わえません。

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