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Inspiceスパイス事典ピンクペッパー
ピンクペッパー(ピンクペッパー)
Pink Pepper

ピンクペッパー

胡椒ではない、バラ色の華やかな粒

ピンクペッパーは、胡椒ではありません。南米原産のウルシ科の木の実で、コショウ科とは縁もゆかりもない別の植物です。

ピンクペッパーとは

学名
Schinus terebinthifolius
科名
ウルシ科
使用部位
果実
原産地
ブラジル
主な産地
ブラジル、マダガスカル、レユニオン
和名
コショウボク(胡椒木)
別名
ブラジリアンペッパー、ポワブル・ローズ
流通の形
ホール(乾燥)

見た目が胡椒の粒に似ていること、そして赤く美しいことから、胡椒の名で流通するようになりました。香りづけより彩りのために使われることも多い素材です。

どんな香り

甘く、華やかで、松の匂いがします。辛さはほとんどありません。粒を噛むと、ぱりっと割れて中は空洞に近い。胡椒を期待して食べると、まったく違うものが来ます。

香りの方向はジュニパーに近い側です。針葉樹の樹脂と、フルーツのような甘さ。バラ色の見た目から想像される華やかさが、香りにもそのままあります。

そして色が魅力です。料理に散らすと、それだけで表情が変わる。香りを足すためだけでなく、見た目のために使われることの多い、珍しいスパイスです。

香りの行き先

ピンクペッパー

意外に近い

ピンクペッパーはウルシ科で、コショウ科ではありません。グリーンペッパーが黒胡椒と同じ木の実であるのに対して、こちらは名前だけを借りた別の植物です。色で対になっているように見えて、仲間ではありません。

一緒に使うと伸びる

果実の甘さと組む

ピンクペッパーの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

ジュニパーベリー

ウルシ科の実と、ヒノキ科の球果。科がまったく違うのに、どちらも針葉樹の樹脂の香りを持っています。ピンクペッパーが「甘い松」と感じられるのは、この共通点によります。ジンの香りが好きな方は、こちらも好きなはずです。

ビングチェリー

赤い実どうし。ピンクペッパーには果実のような甘さがあり、チェリーの濃い甘さと方向が揃います。デザートで組ませると、辛くない胡椒という性質が活きます。

一緒に使うと伸びる素材

松の香りを重ねる ── ジュニパーベリー、ローズマリー

針葉樹の方向。ピンクペッパーの甘さの下に、樹脂の芯が通ります。ジビエや羊で効きます。

果実の甘さと組む ── ビングチェリー、デーツ

フルーティな側を伸ばす方向。デザートや、果物を使った料理にも入っていけます。

辛さを足す ── ブラックペッパー、マニゲット

ピンクペッパー自体はほとんど辛くないので、辛さが欲しければ本物の胡椒を添えます。色と香りはピンク、辛さは黒、と役割を分ける考え方です。

料理への応用

入れどき

最後、粒のまま散らす

ホール

色と香りが同時に出る。潰すと香りが立つ。

サラダカルパッチョデザート

軽く潰してソースに

軽く潰したホール

甘い松の香りがソースに移る。

クリームソースマリネドレッシング

焼く前にまぶす

粗く砕いたホール

焼き面で香りが立つ。色は褪せる。

白身魚
ピンクペッパーを、いつ入れるか

最後、粒のまま散らすホール

仕上げに散らします。指で軽く潰すと香りが立ちますが、粒のまま残すと見た目がよい。どちらを取るかで決めてください。

軽く潰してソースに軽く潰したホール

軽く潰してオイルやクリームへ。フランス料理で魚のソースに使われることの多い形です。

焼く前にまぶす粗く砕いたホール

塩と一緒にまぶします。加熱すると色は褪せますが、香りは残ります。色が目的なら仕上げに回してください。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど10粒料理に彩りが出る。香りとしては気づかれない
効かせる20粒甘い松の香りがわかる。ふだんはここ
主役にする小さじ1ピンクペッパーの料理になる

辛さがほとんどないので、量を増やしても辛くなりません。彩りのために多めに使っても大丈夫です。

この食材と合う理由

白身魚、鶏、えび、クリーム、いちご、チョコレート、チーズ。淡白なものと、甘いもの。ピンクペッパーは辛くないので、デザートにも使えます。赤い粒がそのまま料理の表情になるという点でも、他のスパイスと役割が違います。

味の濃い煮込みでは、色も香りも埋もれます。仕上げに使うのが基本です。

うまくいかないときの直し方

  • 辛くないそれが正常です。ピンクペッパーは胡椒ではないので、辛さはほとんどありません
  • 色が褪せた加熱しています。色が目的なら、火を止めてから散らしてください
  • 粒が崩れる中が空洞に近い構造なので、崩れやすい素材です。優しく扱ってください

一皿の設計例

いちごとピンクペッパー。半分に切ったいちごに、粒を軽く潰して散らす。それだけです。甘い松の香りが、いちごの香りを一段高くします。

選び方・保存

鮮やかな赤い粒です。褪せて茶色くなったものは、香りも色も落ちています。

中が空洞に近く崩れやすいので、瓶で保存してください。袋のままだと粉になります。

光で色が褪せます。暗いところへ。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがピンクペッパーを使っているのは、ディッシュ シンフォニーNo.4の一本だけです。ただし原材料表の一番目——この商品でいちばん多い素材です。

No.4は「土の中に咲く花」という香りの風景を持つ一本です。ピンクペッパーの甘く華やかな松の香りが、その風景の入口になっています。

同じ一本には、北欧のジュニパーベリーと奥飛騨の高原赤山椒も入っています。針葉樹の樹脂と、山の柑橘。ピンクペッパーは胡椒ではなくウルシ科ですが、香りの方向はジュニパーに近い側にあり、この一本のなかで自然に噛み合っています。

ピンクペッパーが働いている商品

ピンクペッパーは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

ピンクペッパーは胡椒ですか?

胡椒ではありません。南米原産のウルシ科の木の実で、コショウ科とは別の植物です。見た目が胡椒の粒に似ていて赤く美しいことから、胡椒の名で流通するようになりました。辛さもほとんどありません。

辛くないなら何のために使うのですか?

香りと色です。甘く華やかな松の香りがあり、赤い粒がそのまま料理の表情になります。辛くないぶんデザートにも使えるので、他の胡椒とは役割がまるで違います。

ウルシ科と聞くと少し心配です

食用として広く流通している素材です。ただしマンゴーやカシューナッツで反応が出たことのある方は、同じウルシ科なので、念のため少量から試してみてください。

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