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Inspiceスパイス事典バジル
バジル(バジル)
Basil

バジル

太陽の香り。イタリアとアジアをつなぐハーブ

バジルは、熱帯アジア原産のシソ科のハーブです。イタリア料理の印象が強いのですが、原産地は東南アジアで、品種によってまるで違う香りがします。

バジルとは

学名
Ocimum basilicum
科名
シソ科
使用部位
葉(種子も食べる)
原産地
熱帯アジア
主な産地
イタリア、エジプト、インド、東南アジア
和名
メボウキ(目箒)
別名
スイートバジル、バジリコ
流通の形
フレッシュ/ドライ

和名のメボウキ(目箒)は、種子を水に浸すとゼリー状の膜ができ、それで目のごみを取ったことに由来します。日本には江戸時代に薬草として入ってきました。

どんな香り

甘さと刺激が同居しています。これがバジルの特徴で、他のセリ科のハーブ——フェンネルやディルのように甘いだけの素材とは、ここが違う。甘い香りの奥に、ぴりっとした鋭さがあります。

乾かすとその甘さが減って、しその葉に近い香りが前に出ます。フレッシュのバジルとドライのバジルが別物に感じられるのは、この変化のせいです。生のトマトに合わせるならフレッシュ、煮込みに入れるならドライ、という使い分けになります。

そして品種が多い。シナモンのような香りを持つもの、胡椒のようにぴりっとするもの、樟脳に似た野性味のあるもの。バジルという一つの名前で括るには、幅が広すぎる植物です。

香りの行き先

バジル

意外に近い

バジルの甘さの成分は、フェンネル・アニス・タラゴンと共通しています。シソ科の葉なのに、セリ科の種子やキク科の葉と手を結べる。バジルが世界中の料理に入り込めた理由のひとつです。

一緒に使うと伸びる

トマトと組む

バジルの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

フェンネル

シソ科の葉と、セリ科の種子。植物としては遠い関係ですが、甘さの成分を共有しています。バジルの甘い側を伸ばしたいとき、フェンネルを少し足すと素直に厚くなります。

タラゴン

イタリアの葉と、フランスの葉。使う料理が分かれているので並べて考えることが少ないのですが、甘さの成分は同じものです。どちらも卵と相性がよいのは、この共通点によります。

一緒に使うと伸びる素材

地中海の方向へ ── オレガノ、マジョラム、ローズマリー

同じシソ科どうし。トマトとオリーブオイルの料理では、この並びが基本形になります。

甘い側へ開く ── フェンネル、タラゴン、アニス

バジルの甘さの成分は、この三つと共通しています。重ねると甘さが厚くなり、刺激の側が後ろに下がります。

東南アジアの方向へ ── こぶみかんの葉、唐辛子、トゥルシー

バジルの原産地に戻る方向。イタリアではなくタイやベトナムの料理になります。同じ葉で、行き先を変えられます。

トマトと組む ── パプリカ

トマト料理の定番。パプリカの焙った甘さが、バジルの青さを受け止めます。

料理への応用

入れどき

はじめ、オイルに

ドライ

香りが油に移り、全体に回る。

トマトソース煮込みピザ

火を止めてから

フレッシュ

色と香りが残る。加熱すると両方失われる。

パスタスープカプレーゼ

最後、手でちぎって

フレッシュ

断面から香りが立つ。包丁より強い。

サラダピザ冷製パスタ
バジルを、いつ入れるか

はじめ、オイルにドライ

にんにくを炒める油に、ドライを一緒に。バジルの香りは油に溶けるので、水を入れる前に合わせます。フレッシュをここで入れると、色も香りも飛びます。

火を止めてからフレッシュ

火を止めてから加えます。バジルは熱と酸で褐色になりやすく、香りも飛びやすい。トマトソースにフレッシュを入れるなら、必ず最後です。

最後、手でちぎってフレッシュ

包丁で切るより、手でちぎるほうが香ります。断面が不揃いになるぶん、香りの出る面が増えるからです。散らすのは食べる直前に。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほどフレッシュ3枚、またはドライ小さじ1/4料理が明るくなる。バジルとは気づかれない
効かせるフレッシュ6枚、またはドライ小さじ1/2バジルの香りだとわかる。ふだんはここ
主役にするフレッシュ一掴みバジルの料理になる。ジェノベーゼはこの量です

ドライはフレッシュより香りが濃く出ます。フレッシュのレシピをドライで作るなら、三分の一から。

この食材と合う理由

トマト、なす、ズッキーニ、モッツァレラ、鶏、白身魚。夏の野菜と、淡白なたんぱく質。バジルは相手を覆わずに、上へ香りを乗せます。オリーブオイルとの相性がとくによく、油が香りを長く留めます。

菓子には向きません。甘い香りを持っているのに、青さと刺激が同居しているためです。

うまくいかないときの直し方

  • 黒くなった熱か酸です。トマトソースに入れるなら火を止めてから。切るなら食べる直前に
  • 香りが弱い包丁で切っています。手でちぎるほうが香ります。ドライなら指ですり潰しながら
  • ドライで作ったら別の味になったバジルは乾かすと甘さが減り、しその葉に近い香りになります。生のトマトに合わせるならフレッシュを使ってください

一皿の設計例

バジルオイル。フレッシュの葉とオリーブオイルをミキサーにかけ、塩をひとつまみ。トマトにかけるだけで一皿になります。加熱していないので、色も香りも残ります。

選び方・保存

フレッシュは冷蔵庫に入れると黒くなります。コップに水を張って室温に置くか、濡らしたキッチンペーパーで包んで野菜室へ。

ドライは緑が残っているものを。使う直前に指ですり潰すと香りが出ます。

使い切れないフレッシュは、オイルと一緒にミキサーにかけて冷凍しておくと、香りも色も残ります。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、バジルを2つのブレンドに使っています。ただしバジルの仲間としては、もっと広く使っています。

フレアラインGREEN NUDGEは、緑の葉ばかりを集めた一本です。トゥルシー(ホーリーバジル)を先頭に、バジル、タラゴン、セージ、フェンネル。そこへハバネロを一つだけ落としてある。緑の香りの層に、熱で導火線を引いた構成です。

ほかにミントチャイでは「シナモンバジル」という別の品種を使っています。同じバジルという名前でも、香りがまるで違うので別の素材として数えています。

バジルが働いている商品

バジルは、Inspiceの2つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

フレッシュとドライ、どちらを使うべきですか?

バジルは乾かすと甘さが減り、しその葉に近い香りになります。生のトマトやカプレーゼならフレッシュ、煮込みやトマトソースならドライ。別のハーブだと考えたほうが選びやすいはずです。

バジルが黒くなるのはなぜですか?

熱と酸に弱いためです。トマトソースに入れるなら火を止めてから、切るなら食べる直前に。冷蔵庫に入れても黒くなるので、フレッシュは室温で水に挿しておくのがおすすめです。

包丁で切ってはいけませんか?

切っても構いませんが、手でちぎるほうが香ります。断面が不揃いになるぶん、香りの出る面が増えるからです。

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