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Inspiceスパイス事典カカオニブ
カカオニブ(カカオニブ)
Cacao Nibs

カカオニブ

チョコレートになる前の、カカオそのものの香り

カカオニブは、カカオ豆を焙煎して砕いたものです。チョコレートになる前の姿で、砂糖も油脂も加えられていません。

カカオニブとは

学名
Theobroma cacao
科名
アオイ科
使用部位
種子(焙煎して砕いたもの)
原産地
中南米
主な産地
コートジボワール、ガーナ、エクアドル
和名
カカオ豆
別名
カカオニブ
流通の形
焙煎して砕いた粒

学名は「神々の食べもの」を意味します。中南米では甘い菓子ではなく、唐辛子と一緒に飲みものにするのが古い形でした。

どんな働きか

苦みです。チョコレートを思って口に入れると驚きます。甘くない。砂糖もミルクも入っていないので、カカオそのものの苦みと酸味だけが来ます。

そして香ばしさ。焙煎で生まれる香りが、苦みの奥に広がっています。土のような、ナッツのような、少しフルーティな。この幅の広さが、カカオが六百種類もの香りの成分を持つと言われる所以です。

粒のまま噛むと、ぱりっと割れて油が出ます。この食感も持ち味で、溶かして使うチョコレートとはまったく別の素材です。

働きの地図

カカオニブ

意外に組める

カカオは六百種類ほどの香りの成分を持つと言われます。土、ナッツ、果実、花。方向の違う香りを一つの豆が抱えているので、甘いものにも辛いものにも入っていけます。

一緒に使うと伸びる

香ばしさを重ねる

カカオニブが、どの方向へ働くか

意外に組める素材

唐辛子

苦みと、熱。菓子と辛い料理で棚が分かれていますが、中南米では古くから同じ器に入っていました。香りの成分も分け合っていて、モレソースという料理はその上に成り立っています。

マスタード

苦い豆と、鼻に抜ける刺激。方向がまるで違うのに、これが驚くほどよく噛み合います。カカオの苦みがマスタードの刺激に厚みを与え、マスタードがカカオの重さを持ち上げる。互いの足りないところを埋め合う関係です。

一緒に使うと伸びる素材

甘い香りで包む ── カシア、トンカ豆、オールスパイス

苦みを甘い香りが受け止める方向。砂糖を足さずに、甘い印象だけを上げられます。

熱と組む ── 唐辛子、ハバネロ、ジンジャー

中南米の古い飲みものの形。苦みと熱は打ち消し合わず、互いを深くします。

香ばしさを重ねる ── ピーナッツ、白ごま、パプリカ

焙煎という同じ工程を通った素材どうし。香ばしさの層が厚くなります。

料理への応用

使いどき

粗く砕いて散らす

粒のまま

苦みと食感が同時に出る。

サラダヨーグルトデザート

煮出す

粒のまま

苦みと香りが液体に移る。

チャイココア煮込み

挽いて混ぜる

粗挽き

苦みが料理全体に回る。

カレー肉の煮込みラブ
カカオニブを、いつ入れるか

粗く砕いて散らす粒のまま

そのまま散らします。噛んだところで割れて油が出るので、食感がそのまま持ち味になります。

煮出す粒のまま

牛乳や湯と一緒に煮ます。溶けはしませんが、香りと苦みは十分に出ます。最後に濾すか、そのまま食べるか。

挽いて混ぜる粗挽き

ミルで粗く挽いて、他のスパイスと混ぜます。メキシコのモレソースのように、辛い料理の底を深くする使い方です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど小さじ1料理の底が深くなる。カカオとは気づかれない
効かせる大さじ1苦みと香ばしさがわかる。ふだんはここ
主役にする大さじ3カカオの料理になる

甘くない素材なので、菓子の感覚で入れると苦くなります。料理に使うときは、他の苦みと足し算にならないよう注意してください。

この食材と合う理由

羊、牛、唐辛子、豆、コーヒー、ナッツ、果物。意外にも肉料理と合います。カカオの苦みが脂を切り、香ばしさが焼き色と同じ方向に働くからです。中南米では古くから、甘い菓子ではなく料理の素材でした。

すでに苦みの強い料理には向きません。カカオの苦みが足し算になって、重くなります。

うまくいかないときの直し方

  • 苦すぎる甘さか脂肪で包んでください。乳製品、はちみつ、ナッツ。あるいは量を半分に
  • 溶けない溶けなくて正常です。カカオニブは砕いた豆なので、粉やペーストにしないと溶けません
  • 酸っぱいカカオには果実由来の酸味があります。産地や焙煎で幅があるので、別のものを試すと印象が変わります

一皿の設計例

カカオニブのヨーグルト。プレーンヨーグルトに、カカオニブとはちみつを少し。甘さと酸味と苦みが一度に来て、菓子でも料理でもない一皿になります。

選び方・保存

粒に艶があり、割れ口が乾いていないものを。古くなると油が酸化した匂いがします。

密閉して冷暗所へ。夏場は冷蔵が安全です。

湿気ると食感が失われます。開封後は早めに使い切ってください。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、カカオニブを7つのブレンドに使っています。カカオニブチャイ、the cocoa、MELLOW FIRE、NUTTY FLARE、ディッシュNo.4。

フレアラインMELLOW FIREでは原材料表の一番目です。この一本にはシナモン、オールスパイス、スターアニス、クローブという甘い香りのスパイスが集まっていて、カカオの苦みをそれらが包む構成になっています。

the cocoaでは二番目。粉のピュアココアが一番目にあり、そこへ粒のカカオニブを重ねてあります。同じカカオを、溶ける形と噛む形の二つで入れている。飲みものなのに食感がある、という設計です。

カカオニブが働いている商品

カカオニブは、Inspiceの7つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

カカオニブは甘くないのですか?

甘くありません。カカオ豆を焙煎して砕いただけで、砂糖も油脂も加えられていない。チョコレートを思って口に入れると驚くほど苦く、酸味もあります。

チョコレートの代わりになりますか?

なりません。溶けませんし、甘くもない。むしろ別の素材と考えてください。ヨーグルトやサラダに散らす、肉料理の底に入れる、といった使い方が向いています。

料理に使えますか?

使えます。中南米では古くから、甘い菓子ではなく料理の素材でした。苦みが脂を切り、香ばしさが焼き色と同じ方向に働くので、羊や牛の煮込みと合います。

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