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Inspiceスパイス事典マジョラム
マジョラム(マジョラム)
Marjoram

マジョラム

オレガノの上品な親戚。甘く穏やかなハーブ

マジョラムは、オレガノと同じ属のシソ科のハーブです。姿も香りもよく似ていて、長いあいだ混同されてきました。

マジョラムとは

学名
Origanum majorana
科名
シソ科
使用部位
原産地
地中海沿岸
主な産地
エジプト、フランス、ドイツ、ポーランド
和名
マヨラナ
別名
スイートマジョラム
流通の形
ドライ/フレッシュ

古い文献では、どちらを指しているのか判別できないことがあります。オレガノは学名でOriganum vulgare、マジョラムはOriganum majorana。同じ属の、いちばん近い親戚です。

どんな香り

甘い。そして静かです。オレガノが持っているあの野性的な苦みと刺激が、マジョラムにはほとんどありません。同じ属なのに、性格が正反対と言っていいほど違います。

オレガノとマジョラムは、よく兄と妹に喩えられます。オレガノがたくましく、マジョラムが繊細。だから相手も分かれます。オレガノは赤身肉と青魚、マジョラムは野菜と白身魚と甲殻類。

そしてマジョラムは、乾かすと香りがやさしくなります。オレガノやローズマリーが乾燥で濃くなるのとは逆方向。強く香らせたくないときには、むしろドライを選ぶという手が使えます。

香りの行き先

マジョラム

意外に近い

オレガノ・マジョラム・セージ・ローズマリーは、代用が利く一群です。ただし強さの順番があります。ローズマリーがいちばん強く、マジョラムがいちばん弱い。置き換えるときは量を調整してください。

一緒に使うと伸びる

繊細な側を伸ばす

マジョラムの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

タラゴン

シソ科の葉と、キク科の葉。科が違うのですが、どちらも刺激をほとんど持たない稀な素材です。甘さだけを薄く重ねたいとき、この二つを組ませると角がまったく立ちません。

ローリエ

サラダに散らす葉と、煮込みに沈める葉。使う場面が正反対ですが、清涼感の側で通じています。マジョラムを煮込みで使いたいなら、ローリエを添えると香りが持ちます。

一緒に使うと伸びる素材

地中海の方向へ ── オレガノ、ローズマリー、セージ

同じシソ科どうしで香りを分け合っています。ただしマジョラムがいちばん繊細なので、他を増やすと消されます。マジョラムを主役にするなら、相手は控えめに。

繊細な側を伸ばす ── タラゴン、レモンピール

どちらも尖りのない素材です。野菜のサラダや甲殻類で、香りの層だけを薄く重ねられます。

温かみを足す ── ナツメグ、メース、ジュニパーベリー

甘いだけになりがちなところに、奥行きを足す方向。ソーセージやパテの組み立てで使われます。

料理への応用

入れどき

はじめには入れない

ドライ/フレッシュ

繊細な香りは長い加熱で失われる。

サラダマリネ仕上げ

火を止めてから

刻んだフレッシュ

甘い香りがまっすぐ立つ。

スープソテー卵料理

生のまま和える

フレッシュ

いちばん香る。刺激がないので量を気にしなくてよい。

サラダドレッシング甲殻類
マジョラムを、いつ入れるか

はじめには入れないドライ/フレッシュ

マジョラムは煮込みやグリルには向きません。オレガノと同じ感覚で最初に入れると、香りが残らない。これがいちばん多い失敗です。

火を止めてから刻んだフレッシュ

仕上げに刻んで散らします。オレガノより穏やかなので、多めに入れても料理を覆いません。

生のまま和えるフレッシュ

刻んでそのまま和えます。マジョラムには刺激がないので、サラダに入れても辛くなりません。繊細な野菜に合わせるのが本来の使い方です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほどフレッシュ小さじ1/2(刻んで)料理に甘さが出る。マジョラムとは気づかれない
効かせるフレッシュ小さじ1マジョラムの香りだとわかる。ふだんはここ
主役にするフレッシュ大さじ1マジョラムの料理になる

オレガノより多めで構いません。刺激と苦みがないぶん、入れすぎても料理が壊れにくいハーブです。

この食材と合う理由

サラダ野菜、トマト、ズッキーニ、白身魚、えび、かに、卵。やさしい味わいのものに向きます。オレガノが濃い肉と青魚を得意とするのに対して、マジョラムは繊細な素材の担当です。同じ属でも、仕事が分かれています。

長く煮込む料理には向きません。香りが飛んでしまいます。濃い味の肉には、オレガノのほうが向いています。

うまくいかないときの直し方

  • 香りが残らない早く入れすぎています。マジョラムは繊細なので、火を止めてから加えてください
  • オレガノとの違いがわからない生のまま噛み比べるとはっきりします。オレガノには苦みと刺激があり、マジョラムには甘さだけがある
  • 手に入らないオレガノで代用できますが、量を半分に。オレガノのほうがずっと強いハーブです

一皿の設計例

グレープフルーツとセロリのサラダ。薄切りのセロリとグレープフルーツに、オリーブオイルと塩、刻んだマジョラム。刺激がないので、たっぷり入れて構いません。

選び方・保存

フレッシュは冷蔵で数日。オレガノより葉が柔らかく、傷みやすいハーブです。

ドライは、他のハーブと違って香りがやさしくなります。強く香らせたくないときには、むしろドライを選ぶという手があります。

密閉して冷暗所へ。香りが穏やかなぶん、古くなると存在感がなくなります。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがマジョラムを使っているのは、ディッシュ シンフォニーNo.4の一本だけです。原材料表の四番目。

No.4は、ピンクペッパーとローストひよこ豆とジュニパーベリーが並ぶ、山の香りの一本です。針葉樹と、焙った豆と、赤い実。そこへマジョラムを入れてあります。

強い素材が並ぶなかに、甘くて静かな葉を一枚。全体が尖りすぎないようにするための配置です。

マジョラムが働いている商品

マジョラムは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

マジョラムとオレガノは何が違いますか?

同じ属の別種です。オレガノは野性的で苦みと刺激があり、マジョラムは繊細で甘さだけを持ちます。オレガノは濃い肉と青魚、マジョラムは野菜と白身魚と甲殻類。相手が分かれます。

オレガノで代用できますか?

できますが、量を半分にしてください。オレガノのほうがずっと強いハーブです。逆にマジョラムでオレガノを代用すると、物足りなく感じます。

煮込みに使えますか?

向いていません。マジョラムは繊細なので、長く加熱すると香りが飛びます。煮込みならオレガノ、仕上げならマジョラムと使い分けてください。

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