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世界中の台所にある、温もりの根茎
ジンジャーは、ショウガ科の多年草の根茎です。生と乾燥では辛さの成分そのものが変わるため、別のスパイスとして扱うほうが料理はうまくいきます。
アジアからヨーロッパへ最も早く届いたスパイスのひとつです。東では生のまま料理に、西では乾燥させて焼き菓子に——という使い分けが、いまも残っています。
生の生姜は、柑橘と青さが前に来ます。辛さは後から追いかけてくる。乾燥させると順番が逆になり、辛さが先に立って、柑橘は薄れます。乾燥で辛さの成分が別のものに変わり、強さがおよそ倍になるからです。
だから生と粉は代用が利きません。生姜焼きを粉ショウガで作ると別の料理になりますし、ジンジャークッキーを生の生姜で作っても、あの香りにはなりません。レシピが「生」と書いているときは、生を使ってください。
そして長く加熱すると、辛さは穏やかになります。煮込むほどまろやかになるのは気のせいではなく、辛さの成分が変化するからです。ぴりっとさせたいなら後入れ、温かみだけが欲しいなら最初から。
香りの行き先
辛い根と、苦い豆。料理の場面がまるで違いますが、香りの成分が通じています。チョコレートに生姜を効かせる菓子が世界中にあるのは、この近さがあるからです。ビターな側どうしで手を結びます。
辛さのある素材と、刺激のまったくない素材。正反対ですが、柑橘の側で重なっています。生姜の角を立てずに柑橘だけを伸ばしたいとき、コリアンダーを多めに足すとうまくいきます。
辛さの種類を増やす方向。生姜の温まる辛さ、唐辛子の焼ける辛さ、胡椒の刺す辛さ。三つ並べると、辛さが立体になります。
生姜のなかにある柑橘の側を引き出す方向。辛さを増やさずに香りだけを明るくできます。
焼き菓子や飲み物の方向。乾燥ジンジャーとの相性がとくによく、冬の飲み物の骨格になります。
熱の上に涼しさを一枚。生姜だけだと温かさが飽和するので、抜け道をつくります。
入れどき
はじめ、油に
生・すりおろし/薄切り
辛さと香りが油に移る。加熱が長いほどまろやかに。
途中、煮汁に
乾燥パウダー/薄切り
温かみが全体に回る。辛さの角が取れる。
最後、生のまま
生・すりおろし/せん切り
辛さと青さがまっすぐ立つ。加熱しないのが要点。
弱火の油で香りが立つまで。焦がすと苦みだけが残るので、色がつく手前で次へ進みます。薄切りなら香りが穏やかに、すりおろしなら強く出ます。
水分と一緒に長く火を入れます。煮るほど辛さは穏やかになるので、温かみだけが欲しいときはこの段階で。チャイなら牛乳と一緒に煮出します。
火を止めてから、または生のまま和えます。加熱していない生姜の辛さは鋭く、柑橘の香りも残る。刺激が欲しいときはここです。
乾燥は生よりも辛さが強く出ます。生のレシピを粉で代用するときは、量を半分以下から始めてください。
魚、鶏、豚。生姜は臭みを消すのではなく、臭みと釣り合う香りを立てます。だから素材の味は残ったまま食べやすくなる。青魚や豚肉のように、個性の強いものほど効きます。乾燥ジンジャーなら、りんご・かぼちゃ・チョコレートといった甘い側へ。
繊細な白身魚を、そのまま味わいたい料理には向きません。生姜のほうが前に出ます。
生姜の甘酢漬け。薄く切って塩をあて、水気を絞って甘酢に漬けるだけです。市販のものより香りが強く、常備しておくと料理の逃げ道になります。
生の根茎は、皮に張りがあり、断面が明るい黄色のものを。乾いてしわが寄ったものは、香りも一緒に抜けています。
香りは皮のすぐ内側に多く含まれます。使う直前に、スプーンの縁で薄く削ぐように剥くのがいちばん無駄がありません。
乾燥パウダーは半年ほどで香りが落ちます。生と乾燥は別のスパイスなので、両方を常備しておくと料理の幅が変わります。
Inspiceは、ジンジャーを12のブレンドに使っています。すべて乾燥のパウダーです。
とくにチャイでは、上位に置いてあります。カシアの甘さとカルダモンの高さがあり、そこに温かみを入れる場所としてジンジャーを選びました。同じショウガ科のカルダモンとターメリックが同じ一杯にいるので、血のつながった三者が並ぶ構成になっています。
HotBoost CHAInstantでは、ジンジャーの隣に胡椒と唐辛子を置いてあります。温まる辛さ、刺す辛さ、焼ける辛さ。辛さの量ではなく種類で熱を組み立てた一杯です。
ジンジャーは、Inspiceの12のブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。
チャイ(スパイスパック)「カカオニブチャイ スパイスパック」 2パック入りカカオニブの重さの隣で、上へ持ち上げる役。
チャイ(CHAInstant)4 FLAVOR CHAInstant PACK「4フレーバー チャインスタント パック」4種の詰め合わせ。ホットブーストでは主役、他では温かみの担当と、一箱のなかで役割が変わります。
チャイ(CHAInstant)CACAONIBS CHAInstant「カカオニブチャイ インスタント」カカオの苦みと紅茶のあいだで、体温の側を担っています。
チャイ(CHAInstant)CHAInstant「チャイ インスタント」チャイと同じ設計。溶かして飲む形でも温かみの位置は変えていません。
チャイ(CHAInstant)Golden CHAInstant「ゴールデンチャイ インスタント」同じショウガ科のターメリックの隣。土と辛さを、血のつながった二者で組んでいます。
チャイ(CHAInstant)MINT CHAInstant「ミントチャイ インスタント」涼しさが主役の一杯で、底に熱を残す役。冷たいだけにしないためです。
チャイ(CHAInstant)Yomogi CHAInstant「ヨモギチャイ インスタント」よもぎの青さの下に、温かみを一枚。青いだけにさせないための配置です。
ホットスパイスHOT SPICE -旨辛-唐辛子の焼ける辛さに対して、温まる辛さを重ねる位置です。別のスパイスと考えてください。乾燥させると辛さの成分が変わり、強さがおよそ倍になります。かわりに柑橘の香りは薄れる。レシピが生を指定しているなら、生を使うのが確実です。
加熱時間を延ばしてください。生姜の辛さは煮るほど穏やかになります。それでも強いときは、油脂か乳製品で包むと角が取れます。
香りは皮のすぐ内側に多いので、剥かずに使えるならそのままが香ります。剥くなら、スプーンの縁で薄く削ぐように。厚く剥くと香りごと捨てることになります。
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