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Inspiceスパイス事典ジンジャー
ジンジャー(ジンジャー)
Ginger

ジンジャー

世界中の台所にある、温もりの根茎

ジンジャーは、ショウガ科の多年草の根茎です。生と乾燥では辛さの成分そのものが変わるため、別のスパイスとして扱うほうが料理はうまくいきます。

ジンジャーとは

学名
Zingiber officinale
科名
ショウガ科
使用部位
根茎
原産地
熱帯アジア
主な産地
インド、中国、ナイジェリア、ネパール
和名
生姜(しょうが)、ハジカミ
別名
ジンジャー、ジンジャールート
流通の形
生の根茎/乾燥パウダー/スライス

アジアからヨーロッパへ最も早く届いたスパイスのひとつです。東では生のまま料理に、西では乾燥させて焼き菓子に——という使い分けが、いまも残っています。

どんな香り

生の生姜は、柑橘と青さが前に来ます。辛さは後から追いかけてくる。乾燥させると順番が逆になり、辛さが先に立って、柑橘は薄れます。乾燥で辛さの成分が別のものに変わり、強さがおよそ倍になるからです。

だから生と粉は代用が利きません。生姜焼きを粉ショウガで作ると別の料理になりますし、ジンジャークッキーを生の生姜で作っても、あの香りにはなりません。レシピが「生」と書いているときは、生を使ってください。

そして長く加熱すると、辛さは穏やかになります。煮込むほどまろやかになるのは気のせいではなく、辛さの成分が変化するからです。ぴりっとさせたいなら後入れ、温かみだけが欲しいなら最初から。

香りの行き先

ジンジャー

意外に近い

ジンジャーは、主要な香りの成分を三つも持っています。これはスパイスのなかでも多いほうです。辛さ・香り・清涼感を一本で構成できるので、単独でも成立します。

一緒に使うと伸びる

辛みに深みを足す

涼しさと組む

ジンジャーの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

カカオニブ

辛い根と、苦い豆。料理の場面がまるで違いますが、香りの成分が通じています。チョコレートに生姜を効かせる菓子が世界中にあるのは、この近さがあるからです。ビターな側どうしで手を結びます。

コリアンダー

辛さのある素材と、刺激のまったくない素材。正反対ですが、柑橘の側で重なっています。生姜の角を立てずに柑橘だけを伸ばしたいとき、コリアンダーを多めに足すとうまくいきます。

一緒に使うと伸びる素材

辛みに深みを足す ── 唐辛子、ブラックペッパー

辛さの種類を増やす方向。生姜の温まる辛さ、唐辛子の焼ける辛さ、胡椒の刺す辛さ。三つ並べると、辛さが立体になります。

柑橘を伸ばす ── レモンピール、コリアンダー、こぶみかんの葉

生姜のなかにある柑橘の側を引き出す方向。辛さを増やさずに香りだけを明るくできます。

甘く温める ── カシア、ナツメグ、カカオニブ

焼き菓子や飲み物の方向。乾燥ジンジャーとの相性がとくによく、冬の飲み物の骨格になります。

涼しさと組む ── ローリエ、カルダモン

熱の上に涼しさを一枚。生姜だけだと温かさが飽和するので、抜け道をつくります。

料理への応用

入れどき

はじめ、油に

生・すりおろし/薄切り

辛さと香りが油に移る。加熱が長いほどまろやかに。

炒め物カレースープ

途中、煮汁に

乾燥パウダー/薄切り

温かみが全体に回る。辛さの角が取れる。

煮込みチャイポトフ

最後、生のまま

生・すりおろし/せん切り

辛さと青さがまっすぐ立つ。加熱しないのが要点。

冷奴マリネドレッシング
ジンジャーを、いつ入れるか

はじめ、油に生・すりおろし/薄切り

弱火の油で香りが立つまで。焦がすと苦みだけが残るので、色がつく手前で次へ進みます。薄切りなら香りが穏やかに、すりおろしなら強く出ます。

途中、煮汁に乾燥パウダー/薄切り

水分と一緒に長く火を入れます。煮るほど辛さは穏やかになるので、温かみだけが欲しいときはこの段階で。チャイなら牛乳と一緒に煮出します。

最後、生のまま生・すりおろし/せん切り

火を止めてから、または生のまま和えます。加熱していない生姜の辛さは鋭く、柑橘の香りも残る。刺激が欲しいときはここです。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど生5g(親指の先ほど)/粉小さじ1/4料理が温まる。生姜とは気づかれない
効かせる生10g/粉小さじ1/2生姜の香りだとわかる。ふだんはここ
主役にする生20g/粉小さじ1生姜の料理になる

乾燥は生よりも辛さが強く出ます。生のレシピを粉で代用するときは、量を半分以下から始めてください。

この食材と合う理由

魚、鶏、豚。生姜は臭みを消すのではなく、臭みと釣り合う香りを立てます。だから素材の味は残ったまま食べやすくなる。青魚や豚肉のように、個性の強いものほど効きます。乾燥ジンジャーなら、りんご・かぼちゃ・チョコレートといった甘い側へ。

繊細な白身魚を、そのまま味わいたい料理には向きません。生姜のほうが前に出ます。

うまくいかないときの直し方

  • 辛すぎた油脂か乳製品で包みます。あるいは加熱時間を延ばす。生姜の辛さは煮るほど穏やかになります
  • 香りがしない皮を早く剥きすぎた可能性があります。香りは皮のすぐ内側に多いので、使う直前に薄く剥いてください
  • 粉で作ったら別の味になった生と乾燥は別のスパイスです。乾燥は辛さが強く柑橘が薄い。レシピが生を指定しているなら、生を使うのが確実です

一皿の設計例

生姜の甘酢漬け。薄く切って塩をあて、水気を絞って甘酢に漬けるだけです。市販のものより香りが強く、常備しておくと料理の逃げ道になります。

選び方・保存

生の根茎は、皮に張りがあり、断面が明るい黄色のものを。乾いてしわが寄ったものは、香りも一緒に抜けています。

香りは皮のすぐ内側に多く含まれます。使う直前に、スプーンの縁で薄く削ぐように剥くのがいちばん無駄がありません。

乾燥パウダーは半年ほどで香りが落ちます。生と乾燥は別のスパイスなので、両方を常備しておくと料理の幅が変わります。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、ジンジャーを12のブレンドに使っています。すべて乾燥のパウダーです。

とくにチャイでは、上位に置いてあります。カシアの甘さとカルダモンの高さがあり、そこに温かみを入れる場所としてジンジャーを選びました。同じショウガ科のカルダモンとターメリックが同じ一杯にいるので、血のつながった三者が並ぶ構成になっています。

HotBoost CHAInstantでは、ジンジャーの隣に胡椒と唐辛子を置いてあります。温まる辛さ、刺す辛さ、焼ける辛さ。辛さの量ではなく種類で熱を組み立てた一杯です。

ジンジャーが働いている商品

ジンジャーは、Inspiceの12のブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

生姜と粉ショウガは同じように使えますか?

別のスパイスと考えてください。乾燥させると辛さの成分が変わり、強さがおよそ倍になります。かわりに柑橘の香りは薄れる。レシピが生を指定しているなら、生を使うのが確実です。

生姜の辛さを弱めるには?

加熱時間を延ばしてください。生姜の辛さは煮るほど穏やかになります。それでも強いときは、油脂か乳製品で包むと角が取れます。

皮は剥くべきですか?

香りは皮のすぐ内側に多いので、剥かずに使えるならそのままが香ります。剥くなら、スプーンの縁で薄く削ぐように。厚く剥くと香りごと捨てることになります。

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