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飛騨の山で育つ、清冽な和の痺れ
飛騨高原青山椒は、日本の山椒です。中国の花椒とは別の種で、しびれよりも香りのほうが前に出ます。
日本では山椒を「辛味を足すため」ではなく「香りを楽しむため」に使ってきました。うなぎに粉山椒、木の芽を椀に浮かべる。中国とは目的がまるで違います。
澄んでいます。中国の花椒がしびれを主役にするとすれば、日本の山椒は香りが主役です。柑橘と青葉の、透きとおった匂い。しびれはありますが、控えめで上品です。
高原で育つと、この澄み方が強く出ます。昼夜の寒暖差が香りを締めるからで、飛騨のような標高のある土地の山椒が珍重されてきたのは、そのためです。
そして、和食の脂と組みます。うなぎ、鰯、豚の角煮。日本の山椒が脂の強い料理に添えられてきたのは、この清冽な香りが重さを切るからです。
香りの行き先
日本の山と南インド。まるで縁がなさそうですが、香りの成分を分け合っています。どちらも柑橘と清涼感を持つ素材で、和の椀物にカルダモンを落としても壊れないのは、この近さがあるからです。
同じミカン科です。山椒がミカンの仲間だと言われると意外に聞こえますが、あの澄んだ香りの正体は柑橘。レモンの皮と組ませると、山椒の香りの出所がよくわかります。
旨みと香り。山椒は旨みを持たないので、昆布や椎茸と組ませると和食の骨格になります。
山椒のなかにある柑橘の側を引き出す方向。しびれを増やさずに、香りだけが明るくなります。
日本の山椒は香りが主役でしびれが控えめなので、しびれが欲しければ中国の花椒を少し足します。役割を分けて重ねる考え方です。
入れどき
最後、粉をふる
パウダー
澄んだ香りがまっすぐ立つ。ここが本領。
たれに漬け込む
ホール/水煮
甘辛い味に香りが移る。
手で叩いて浮かべる
木の芽
香りが立ち上がる。加熱ゼロ。
火を止めてから、あるいは食べる直前に。日本の山椒は香りが主役なので、加熱すると意味がなくなります。うなぎに粉山椒という形が、この使い方の完成形です。
実山椒を醤油やみりんと一緒に。長く漬けるほど香りが移ります。ちりめん山椒がこの形です。
葉を手のひらに乗せて、もう片方の手で叩きます。細胞が壊れて香りが立つ。日本料理の基本的な所作のひとつです。
中国の花椒よりずっと少量で足ります。日本の山椒は香りが主役なので、しびれを感じるほど入れると入れすぎです。
うなぎ、鰯、豚の角煮、筍、豆腐、味噌。脂の強い和食と、春の野菜。山椒は脂を切るのが得意で、しかも旨みを邪魔しません。出汁の効いた料理に添えられるスパイスとしては、ほとんど唯一の存在です。
洋風の煮込みや、香りの強いスパイスと組むと埋もれます。澄んだ香りが身上なので、静かな料理でこそ活きます。
豆腐に山椒。冷奴に醤油と、粉山椒をひとつまみ。それだけです。薬味を何も足さなくても、山椒の香りだけで一皿になります。
粉は香りの落ちが特に早く、開封から半年を目安に。少量ずつ買うのが正解です。
実山椒は冷凍が確実です。旬の時期に買って冷凍しておけば、一年使えます。
密閉して冷暗所へ。香りが強いので、他の乾物と一緒にしないでください。
Inspiceが飛騨高原青山椒を使っているのは、HOT SPICE「痺辛」の一本だけです。原材料表の最後、ごく少量。
痺辛の主役は四川青山椒です。中国の、しびれの強い青い花椒。そこへ日本の山椒を最後にひとつ加えてあります。
しびれをこれ以上足す必要はありません。加えているのは香りです。四川のしびれの上に、飛騨の澄んだ柑橘を一枚だけ乗せる。同じサンショウ属の、目的の違う二つを重ねた配置です。
飛騨高原青山椒は、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。
同じミカン科サンショウ属の別種です。中国の花椒はしびれが強く、辛味を足す目的で使われます。日本の山椒は香りが主役で、しびれは控えめ。同じ仲間なのに、使う目的そのものが違います。
山椒の粉は香りの落ちが特に早いスパイスです。開封から半年で別物になるので、少量ずつ買って回すのがいちばん確実です。実山椒なら冷凍で一年もちます。
昼夜の寒暖差が香りを締めます。標高のある土地の山椒が珍重されてきたのは、この澄んだ香りのためです。
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