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Inspiceスパイス事典アジョワン
アジョワン(アジョワン)
Ajwain

アジョワン

タイムに似た清涼感をもつ、インドの台所の名脇役

アジョワンは、セリ科の一年草の果実です。クミンやキャラウェイの近縁で、見た目もよく似ていますが、香りはタイムそっくりです。

アジョワンとは

学名
Trachyspermum ammi
科名
セリ科
使用部位
果実
原産地
中東・エジプト
主な産地
インド、イラン、アフガニスタン
和名
なし
別名
キャロム、タイモルシード、エチオピアンクミン
流通の形
ホール/パウダー

インド西部、とくにグジャラートの菜食料理に欠かせません。豆やパンに使われ、小さな粒が料理の骨格をつくります。

どんな香り

タイムです。セリ科の種子なのに、シソ科のハーブの香りがします。アニスとオレガノと黒胡椒を混ぜたような、と説明されることもある。とにかく強い。

そしてもうひとつ、冷たさがあります。噛むと苦みのあとに、すっと冷える感覚が来る。これは温度が下がっているわけではなく、口のなかの感覚が反応しているだけです。ミントやナツメグと同じ仕組みの、別のスパイスによる冷たさです。

この冷たさは加熱すると弱まります。冷感ごと欲しいなら仕上げに、香りだけでよければ最初に。目的で工程が決まります。

香りの行き先

アジョワン

意外に近い

アジョワンはセリ科の種子なのに、タイムやオレガノというシソ科のハーブと同じ香りの成分を持っています。植物の分類と香りの分類が食い違う例で、だからインド料理で地中海のような香りがすることがあります。

一緒に使うと伸びる

香ばしさを重ねる

冷たさを重ねる

アジョワンの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

オレガノ

インドの種子と、地中海の葉。科がまったく違うのに、香りの主成分が同じ系統です。アジョワンを噛んでタイムやオレガノを思い浮かべるのは、気のせいではありません。植物の分類と香りの分類が食い違う例です。

ペパーミント

どちらも口のなかに冷たさをつくりますが、仕組みが違います。別の感覚に働きかけるので、重ねると冷たさが打ち消し合わずに層になります。

一緒に使うと伸びる素材

土と組む ── クミン、コリアンダー、ターメリック

クミンとは香りの成分を四つ分け合っています。土と薬草の近縁どうしで、豆料理の骨格になります。

香ばしさを重ねる ── カロンジ、白ごま、パプリカ

油ではじけさせる種子どうし。インドの豆料理やパンで、同じ鍋に入ることの多い並びです。

冷たさを重ねる ── ペパーミント、ナツメグ

仕組みの違う冷たさを並べる方向。それぞれ別の感覚に働くので、重ねると冷たさに層ができます。

料理への応用

入れどき

はじめ、油ではじけさせる

ホール

タイムのような香りが油に移る。

豆料理カレー揚げ物

生地に混ぜる

ホール

焼き面で香りが立つ。

パラタナンクラッカー

最後、ひとつまみ

パウダー

タイムの香りと冷たさが同時に立つ。

サラダヨーグルト
アジョワンを、いつ入れるか

はじめ、油ではじけさせるホール

熱した油に入れます。少量で十分効くので、入れすぎに注意。インドでは豆や野菜の料理の入口として使われます。

生地に混ぜるホール

パン生地に混ぜ込みます。インド西部のパンでは定番で、噛み当たったところで香りが弾けます。

最後、ひとつまみパウダー

火を止めてから。冷感は加熱で弱まるので、その感覚ごと欲しいなら仕上げに。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど小さじ1/8料理に薬草の芯が通る。アジョワンとは気づかれない
効かせる小さじ1/4タイムのような香りだとわかる。ふだんはここ
主役にする小さじ1/2アジョワンの料理になる

香りがとても強いスパイスです。他のセリ科の種子と同じ感覚で使うと、必ず入れすぎます。半分から始めてください。

この食材と合う理由

豆、じゃがいも、なす、キャベツ、パン、ヨーグルト。菜食の料理と広く合います。アジョワンは肉がなくても料理に骨格をつくれるので、豆や野菜が主役の一皿でとくに力を発揮します。

繊細な白身魚や、菓子には向きません。香りが強すぎて素材を覆います。

うまくいかないときの直し方

  • 効きすぎたアジョワンは香りが非常に強いスパイスです。次は半分に。乳製品で包むと角が取れます
  • 苦い入れすぎか、焦がしています。油に入れたら短時間で次へ進んでください
  • クミンと間違えて買った見た目がよく似ています。アジョワンのほうが小さく、噛むとタイムの香りがするのですぐわかります

一皿の設計例

じゃがいものアジョワン炒め。熱した油に小さじ1/8を入れ、角切りのじゃがいもと塩。タイムの香りがして、いつもの炒めものが西インドの料理になります。

選び方・保存

ごく小さな灰緑色の粒です。クミンやキャラウェイに似ていますが、それらより小さい。

ホールなら一年以上保ちます。香りが強いので、少量ずつ買ってください。

密閉して冷暗所へ。匂いが移りやすいので、単独の容器で。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがアジョワンを使っているのは、フレアラインKASUMI GLOWの一本だけです。原材料表の後半、ごく少量。

KASUMI GLOWは椎茸と昆布とパプリカが並ぶ、旨みと焙りの一本です。そこへアジョワンをひとつまみ。乾物の旨みと焙った土のなかに、薬草の芯を通す役をしています。

アジョワンはクミンと香りの成分を四つ分け合っています。Inspiceのカレーはクミンを土台にしているので、この二つを近い場所に置ける余地はまだあります。

アジョワンが働いている商品

アジョワンは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

アジョワンはどんな香りですか?

タイムです。セリ科の種子なのに、シソ科のハーブの香りがします。アニスとオレガノと黒胡椒を混ぜたよう、と説明されることもあります。噛むと苦みのあとに、すっと冷える感覚が来ます。

クミンと似ていますか?

見た目はよく似ています。近縁で、香りの成分も四つ共有しています。ただしアジョワンのほうがずっと小さく、噛むとタイムの香りがするのですぐ見分けられます。

どのくらい入れればいいですか?

他のセリ科の種子より一段少なく。2人分なら小さじ1/8から。香りが非常に強いスパイスで、クミンと同じ感覚で使うと必ず入れすぎます。

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