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Inspiceスパイス事典ピュアココア
ピュアココア(ピュアココア)
Pure Cocoa

ピュアココア

砂糖を含まない、カカオの純粋なパウダー

ピュアココアは、カカオ豆から油脂を一部取り除いて粉にしたものです。砂糖もミルクも入っていない、カカオそのものの粉です。

ピュアココアとは

学名
Theobroma cacao
科名
アオイ科
使用部位
種子(脂肪分を一部除いて粉にしたもの)
原産地
中南米
主な産地
オランダ(加工)、西アフリカ(原料)
和名
ココア
別名
ピュアココア、無糖ココア
流通の形

スーパーで「ココア」として売られているものの多くは、砂糖とミルクが入った調整ココアです。ピュアココアはその手前の姿で、製菓材料の棚にあります。

どんな働きか

苦みと、酸味。そして舌に残る粉っぽさ。ピュアココアをお湯だけで溶いて飲むと、多くの人が「こんな味だったのか」と思います。甘いココアの記憶とは、まったく別のものです。

カカオニブとの違いは、形です。粒のカカオニブは噛む素材、粉のピュアココアは溶かす素材。同じ豆から、噛むものと溶かすものの二つが取り出せます。

そして油脂が減っているぶん、苦みと酸味がまっすぐ出ます。チョコレートのあの丸さは、カカオバターが持ち込んでいたもの。それを抜くと、カカオはこれほど鋭い素材になります。

働きの地図

ピュアココア

意外に組める

同じカカオ豆から、噛む素材(カカオニブ)と溶かす素材(ピュアココア)が取り出せます。油脂を残すか抜くか、粒にするか粉にするか。加工の違いが、そのまま別の食材をつくっています。

一緒に使うと伸びる

ピュアココアが、どの方向へ働くか

意外に組める素材

パプリカ

茶色い粉と、赤い粉。菓子と料理で棚も分かれていますが、香りの成分を多く共有しています。カカオの土の香りと、パプリカの焼けた土。Inspiceのthe cocoaにパプリカが入っているのは、この近さのためです。

テリーチェリーブラックペッパー

苦みと、辛さ。ココアに胡椒という組み合わせは奇妙に聞こえますが、胡椒の香りがカカオの苦みに輪郭を与えます。甘いだけの飲みものにしないための一手です。

一緒に使うと伸びる素材

甘い香りで包む ── トンカ豆、カシア、ナツメグ

砂糖を増やさずに甘い印象を上げる方向。ピュアココアの苦みを、香りの側から受け止めます。

土と組む ── パプリカ、クミン

焙った土どうし。ピュアココアには土の香りがあるので、この二つと重ねると底が深くなります。

熱と刺激で締める ── 唐辛子、テリーチェリーブラックペッパー

苦みだけだと平板になるところに、輪郭をつくる方向。飲みものでも料理でも効きます。

料理への応用

使いどき

少量の液体で練る

ダマにならず、香りが立つ。

ココア焼き菓子ソース

粉と一緒にふるう

生地に均一に入る。

ケーキクッキーパン

仕上げにふる

苦みがまっすぐ立つ。

ティラミスアイス肉料理
ピュアココアを、いつ入れるか

少量の液体で練る

いきなり全量の牛乳に入れるとダマになります。少量の湯や牛乳でペースト状に練ってから、残りを加える。これだけで仕上がりが変わります。

粉と一緒にふるう

小麦粉と一緒にふるいます。ココアは湿気を吸って固まりやすいので、必ずふるってから。

仕上げにふる

茶漉しで振ります。加熱していないぶん、苦みと酸味が鋭く出ます。肉料理の仕上げに少量、という使い方もあります。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど小さじ1料理の底が深くなる。ココアとは気づかれない
効かせる大さじ1カカオの苦みだとわかる。ふだんはここ
主役にする大さじ3ココアの料理になる

砂糖が入っていないので、菓子の感覚で使うとかなり苦くなります。飲みものにするなら、必ず甘さを足してください。

この食材と合う理由

牛乳、生クリーム、はちみつ、ナッツ、唐辛子、羊、牛。乳製品と、脂のある肉。ピュアココアの苦みは脂肪のなかで丸くなるので、乳製品との相性がとくに確かです。中南米では肉の煮込みにも使われてきました。

淡白な白身魚や、繊細な出汁の料理には向きません。苦みが料理を覆ってしまいます。

うまくいかないときの直し方

  • ダマになった少量の液体で先に練ってください。いきなり全量に入れると必ずダマになります
  • 苦すぎるピュアココアには砂糖が入っていません。調整ココアと同じ量では苦くなります。甘さか乳脂肪を足してください
  • 粉っぽいよく練れていないか、量が多すぎます。液体をもう少し増やしてみてください

一皿の設計例

ピュアココアと胡椒。温めた牛乳にピュアココア大さじ1、はちみつ、そして挽きたての黒胡椒をひと挽き。胡椒が苦みの輪郭を立てて、甘いだけの飲みものになりません。

選び方・保存

湿気を吸って固まります。密閉して冷暗所へ。

匂いを吸いやすいので、香りの強いものと同じ棚に置かないでください。

固まったらふるえば戻ります。品質が落ちたわけではありません。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがピュアココアを使っているのは、the cocoa の一本だけです。ただし原材料表の一番目——この商品でいちばん多い素材です。

the cocoa は「ハイカカオとスパイスのココア」という名のとおり、カカオを主役にした飲みものです。粉のピュアココアが一番目、粒のカカオニブが二番目。同じカカオを、溶ける形と噛む形の二つで入れてあります。

そこへトンカ豆の甘い香り、テリーチェリーとオールスパイスを同じ重さで、そしてバスク産の唐辛子をごく少量。苦みを甘さで包み、辛さで輪郭を立てる構成です。

ピュアココアが働いている商品

ピュアココアは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

ピュアココアと普通のココアは違いますか?

違います。スーパーで「ココア」として売られているものの多くは、砂糖とミルクが入った調整ココアです。ピュアココアは砂糖もミルクも入っていない、カカオそのものの粉。製菓材料の棚にあります。

ダマになってしまいます

少量の湯か牛乳で先にペースト状に練ってから、残りを加えてください。いきなり全量に入れると必ずダマになります。

カカオニブとの違いは?

同じ豆ですが、加工が違います。カカオニブは焙煎して砕いた粒で、噛む素材。ピュアココアは油脂を一部抜いて粉にしたもので、溶かす素材です。

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