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Inspiceスパイス事典こぶみかんの葉
こぶみかんの葉(こぶみかんのは)
Kaffir Lime Leaf

こぶみかんの葉

トムヤムクンの香り。東南アジアの柑橘リーフ

こぶみかんの葉は、東南アジア原産の柑橘の葉です。実ではなく葉を使います。ひょうたんのように二枚がつながった、独特の形をしています。

こぶみかんの葉とは

学名
Citrus hystrix
科名
ミカン科
使用部位
原産地
東南アジア
主な産地
タイ、インドネシア、マレーシア
和名
コブミカン(瘤蜜柑)
別名
バイマックルー、マクルートライム
流通の形
フレッシュ/ドライ/冷凍

タイではバイマックルーと呼ばれ、トムヤムクンやグリーンカレーに欠かせません。実の表面がこぶだらけであることから、日本では瘤蜜柑と名付けられました。

どんな香り

香りを嗅いだ瞬間に、東南アジアの料理が思い浮かびます。柑橘なのですが、レモンやライムとは方向が違う。もっと青く、深く、少し石鹸のような清涼感があります。

面白いのは、同じ木の実と葉で香りがまったく違うことです。実の皮はレモンに近い柑橘、葉はこの独特の青い香り。料理に使うのは葉のほうで、実の出番はほとんどありません。

そして繊維が硬い。フレッシュの葉をそのまま口に入れると、噛み切れません。細かく刻むか、煮出して取り出すか。この二つに一つです。

香りの行き先

こぶみかんの葉

意外に近い

同じ木の実と葉で、香りがまったく違います。実の皮はレモンに近い柑橘、葉は青く深い独特の香り。料理で使われるのは葉のほうで、この差が「こぶみかんの葉」という名前をつくりました。

一緒に使うと伸びる

柑橘を重ねる

東南アジアの方向へ

こぶみかんの葉の香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

コリアンダー

どちらもタイ料理の食卓にありますが、直接組み合わせて考えることは少ないはずです。コリアンダーの種子が持つ柑橘と、こぶみかんの葉の柑橘は角度が違う。二つ並べると、柑橘の幅がぐっと広がります。

ジンジャー

葉と根。まったく別の部位ですが、生の生姜には柑橘の香りがあります。こぶみかんの葉と生姜を一緒に使うと、辛さを足さずに柑橘だけが伸びる。トムヤムの骨格です。

一緒に使うと伸びる素材

柑橘を重ねる ── レモンピール、馬告

角度の違う柑橘を並べる方向。レモンピールが標準の明るさ、こぶみかんが青く深い側。二枚重ねると柑橘に立体感が出ます。

東南アジアの方向へ ── 唐辛子、ジンジャー、トゥルシー

タイ料理の組み立て。辛さと柑橘と薬草。この三つが揃うと、あの味の骨格になります。

淡白な素材に乗せる ── ホワイトペッパー、コリアンダー

白身魚や鶏に使う方向。素材の味を覆わずに、香りだけを乗せられます。

料理への応用

入れどき

はじめ、煮出す

葉のまま

スープに香りが移る。ローリエと同じ使い方。

トムヤムクンスープカレー

細かく刻んで練り込む

極細に刻んだフレッシュ

噛んだところで香りが弾ける。

つくねすり身炒め物

最後、千切りを散らす

フレッシュの極細切り

香りがまっすぐ立つ。見た目にもなる。

サラダカレー蒸し魚
こぶみかんの葉を、いつ入れるか

はじめ、煮出す葉のまま

葉のまま鍋に入れて、最後に取り出します。ローリエと同じ扱いです。繊維が硬いので、そのまま食べるものではありません。

細かく刻んで練り込む極細に刻んだフレッシュ

中心の硬い軸を除いて、髪の毛のように細く刻みます。ここを手を抜くと口に残るので、いちばん丁寧にやる工程です。

最後、千切りを散らすフレッシュの極細切り

火を止めてから散らします。加熱していないぶん香りが鮮やかで、緑の千切りが料理の顔にもなります。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど1枚料理が東南アジアの方向へ寄る。こぶみかんとは気づかれない
効かせる2〜3枚こぶみかんの香りだとわかる。ふだんはここ
主役にする4〜5枚タイ料理になる

「1枚」はひょうたん型でつながった二枚ぶんを指すのが一般的です。数え方に幅があるので、香りで加減してください。

この食材と合う理由

白身魚、えび、鶏、ココナツミルク、たけのこ、なす。淡白なものと、ココナツ。こぶみかんの葉は素材の味を覆わずに、料理の場所を東南アジアへ移します。同じ鶏肉が、この葉一枚で別の国の料理になります。

洋風の煮込みや、和食の出汁には強すぎます。香りの方向がはっきりしすぎているためです。

うまくいかないときの直し方

  • 口に葉が残る刻み方が粗いか、中心の軸が残っています。軸を除いて、髪の毛のように細く刻んでください
  • 香りが弱いドライを使っている可能性があります。この葉はフレッシュと冷凍で香りがまるで違います
  • 手に入らない冷凍品が確実です。生よりむしろ流通が安定していて、香りもよく残っています

一皿の設計例

鶏とココナツミルクのスープ。鶏もも肉とココナツミルクを煮て、こぶみかんの葉を2枚、ナンプラーと塩。それだけで、あの東南アジアの香りになります。

選び方・保存

冷凍がいちばん確実です。生の流通は不安定ですが、冷凍品は香りがよく残り、必要な枚数だけ取り出せます。

ドライは香りがかなり落ちます。煮出す用途なら使えますが、千切りで散らす使い方には向きません。

生が手に入ったら、洗わずに密閉して冷凍を。凍ったまま刻めます。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがこぶみかんの葉を使っているのは、フレアラインCITRUS EMBERの一本だけです。原材料表の二番目。

この一本は、レモンピールを主軸にした柑橘の商品です。そこへこぶみかんの葉を重ねてある。西洋の標準的な柑橘と、東南アジアの青く深い柑橘。同じ「柑橘」でも角度がまるで違うので、重ねると平面が立体になります。

柑橘を一種類で終わらせない、というのがこの一本の設計です。

こぶみかんの葉が働いている商品

こぶみかんの葉は、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

Inspiceの商品を見る →

よくある質問

こぶみかんの実は使わないのですか?

料理で使われるのはほとんど葉です。同じ木でも実の皮と葉で香りがまったく違い、あの独特の青い香りは葉のほうにあります。実は皮を使うこともありますが、出番は多くありません。

レモンやライムで代用できますか?

できません。同じ柑橘でも香りの方向が違います。レモンやライムはまっすぐ明るく、こぶみかんの葉はもっと青く深い。代用すると、東南アジアらしさが出ません。

どうやって刻めばいいですか?

中心の硬い軸を取り除いてから、髪の毛のように細く刻みます。繊維が硬いので、粗いと口に残ります。ここは手を抜かないほうがいい工程です。

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