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Inspiceスパイス事典オレガノ
オレガノ(オレガノ)
Oregano

オレガノ

ピザとトマトの、力強い野生のハーブ

オレガノは、地中海沿岸に自生するシソ科のハーブです。花よりも葉のほうが強く香るので、料理には葉を使います。

オレガノとは

学名
Origanum vulgare
科名
シソ科
使用部位
原産地
地中海沿岸
主な産地
トルコ、ギリシャ、メキシコ
和名
ハナハッカ(花薄荷)
別名
ワイルドマジョラム
流通の形
ドライ(葉・粉)/フレッシュ

名前はギリシャ語の「山の歓び」に由来します。乾いた岩場に生え、踏むと香りが立つ——山を歩く人にとっては、地面から立ち上る匂いだったのでしょう。

どんな香り

清涼感と、ほろ苦さ。フレッシュな葉は爽やかで、そこにわずかな甘さとスパイシーさが乗ります。手でちぎると、指に匂いが残るくらい強い。

ところが乾かすと、別のハーブになります。甘さがほとんど消えて、ほろ苦さだけが際立つ。しかも香りは弱くなるどころか濃くなります。フレッシュとドライで性格が変わるハーブは多いのですが、オレガノは振れ幅がとくに大きい。

だから使い分けが要ります。爽やかさが欲しいならフレッシュ、味の濃い肉や青魚に立ち向かうならドライ。同じ名前で売られていても、料理のなかでの仕事はまったく違います。

香りの行き先

オレガノ

意外に近い

オレガノ・マジョラム・セージ・ローズマリーは、香りの成分をよく分け合っている一群です。だから互いに代用が利きます。手元にないときは、この四つのなかから選べば大きく外しません。

一緒に使うと伸びる

肉のクセと釣り合わせる

トマトと組む

オレガノの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

パプリカ

地中海の葉と、焙った赤い粉。どちらもトマトの隣に立つ素材ですが、直接組み合わせて考えることは少ないはずです。パプリカの焦げた甘さがオレガノのほろ苦さを受け止めて、トマト料理の底が一段深くなります。

クミン

イタリアのハーブと、インドの種子。産地も料理も違いますが、乾いた土とほろ苦い葉は同じ側にあります。メキシコ料理でこの二つが同居しているのは、偶然ではありません。

一緒に使うと伸びる素材

地中海の方向へ ── バジル、マジョラム、ローズマリー

同じシソ科どうし。互いに近いので、束ねても濁りません。イタリア料理の乾燥ハーブミックスは、だいたいこの並びです。

肉のクセと釣り合わせる ── ブラックペッパー、唐辛子

ドライのオレガノが本領を出す方向。牛や豚、青背の魚といったクセの強い相手に、ほろ苦さと刺激で立ち向かいます。

トマトと組む ── パプリカ、ローリエ

トマトを使う料理での定番。パプリカの焙った土がトマトの酸と噛み合い、オレガノがそこに苦みを足します。

料理への応用

入れどき

はじめ、オイルに

ドライ

香りは油に溶ける。水だけではあまり出ない。

トマトソース煮込みピザ

途中、煮込みに

ドライの枝ごと

ほろ苦さが全体に回り、肉のクセを受け止める。

ラグーシチュー青魚の煮付け

最後、指ですり潰して

ドライ

香りが立ち上がる。加熱しないほうが強い。

サラダピザマリネ
オレガノを、いつ入れるか

はじめ、オイルにドライ

オリーブオイルで玉ねぎやにんにくを炒めるとき、一緒に入れます。オレガノの香りは油に溶けるので、水を入れる前に油と合わせるのが基本です。

途中、煮込みにドライの枝ごと

枝ごと入れて、最後に取り出します。長く煮ても壊れにくいハーブなので、煮込みの相棒として安心して使えます。

最後、指ですり潰してドライ

手のひらでこすり合わせながら振りかけます。乾いた葉は指で潰すことで香りが出るので、そのまま散らすより一段効きます。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほどドライ小さじ1/4料理が地中海の方向へ寄る。オレガノとは気づかれない
効かせるドライ小さじ1/2オレガノの香りだとわかる。ふだんはここ
主役にするドライ小さじ1オレガノの料理になる

ドライはフレッシュより香りが濃く出ます。フレッシュのレシピをドライで作るなら、三分の一くらいから始めてください。

この食材と合う理由

トマト、なす、ズッキーニ、牛肉、豚肉、青背の魚。夏の野菜と、クセの強い動物性。オレガノは相手のクセを消しません。ほろ苦さで隣に立って、釣り合いを取ります。

果物と菓子には向きません。ほろ苦さが甘さと噛み合わないためです。

うまくいかないときの直し方

  • 香りがしないそのまま振っています。乾いた葉は指ですり潰すと香りが出ます。あるいは油と合わせてください
  • 苦すぎるドライを入れすぎです。ドライはフレッシュの三分の一が目安。減らすか、トマトの甘みを足してください
  • どちらを買えばいいかわからない爽やかさが欲しいならフレッシュ、味の濃い料理に立ち向かうならドライ。日常の使い勝手ではドライが上です

一皿の設計例

トマトソース。にんにくをオリーブオイルで炒め、トマト缶と塩、そこへドライのオレガノを小さじ1/2。指ですり潰しながら入れるだけで、香りの立ち方が変わります。

選び方・保存

ドライは緑が残っているものを選びます。茶色く褪せたものは香りも抜けています。粉より、葉の形が残っているもののほうが長持ちします。

半年から一年で香りが落ちます。密閉して冷暗所へ。使う直前に指で潰す習慣をつけると、多少古くても香りが出ます。

フレッシュは冷蔵で数日。使い切れないときは、洗わずに束ねて吊るしておけば自然に乾きます。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、オレガノを2つのブレンドに使っています。少数派の素材です。

スパイスカレー シンフォニーNo.3では、ローズマリーと一緒に、原材料表のいちばん後ろのほうにいます。カレー4作のうち、シソ科のハーブが入っているのはこの一本だけ。「たべるブーケガルニ」という発想が先にあり、それを成立させるためにオレガノを選びました。

量としてはごく微量ですが、抜くと消えるものがあります。オレガノのほろ苦さは、他のどの素材でも代わりになりません。

オレガノが働いている商品

オレガノは、Inspiceの2つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

オレガノとマジョラムは何が違いますか?

近い仲間です。マジョラムのほうが甘く穏やかで、オレガノのほうが苦く力強い。香りの成分をよく分け合っているので、互いに代用できます。手元にないときは入れ替えて構いません。

フレッシュとドライ、どちらを使うべきですか?

オレガノは乾かすと別のハーブになります。甘さが消えてほろ苦さが際立ち、香りはむしろ濃くなる。爽やかさが欲しいならフレッシュ、味の濃い肉や青魚に立ち向かうならドライです。

どのくらい入れればいいですか?

2人分ならドライで小さじ1/2から。フレッシュのレシピをドライで作る場合は、三分の一の量に減らしてください。ドライは香りが濃く出ます。

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