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Inspiceスパイス事典デーツ
デーツ(デーツ)
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デーツ

砂漠の恵み。黒糖のような深い甘みの果実

デーツは、なつめやしの果実です。中身のほとんどが糖でできていて、砂糖を使わずに甘さを持ち込める数少ない素材です。

デーツとは

学名
Phoenix dactylifera
科名
ヤシ科
使用部位
果実(乾燥)
原産地
西アジア・北アフリカ
主な産地
エジプト、サウジアラビア、イラン、チュニジア
和名
なつめやし
別名
デーツ、デーツパーム
流通の形
乾燥(種あり/種なし/ペースト)

砂漠の民の主食でした。乾かせば長く保ち、そのまま食べられて、水にも溶ける。乾燥地帯で生き延びるための果実です。

どんな働きか

甘い。それも、砂糖の甘さとは質が違います。糖のほかにわずかな酸味とコクがあって、後味が長い。黒糖やはちみつに近い、輪郭のある甘さです。

香りは強くありません。中身のほとんどが糖なので、香りの成分はごく僅か。だから他の香りを邪魔しないまま、甘さだけを足せます。スパイスのブレンドに甘さが要るとき、これは大きな利点です。

そして水分を持っています。乾燥果実ですが完全には乾いていないので、ねっとりしている。この水分が、料理のなかでとろみや繋ぎにもなります。

働きの地図

デーツ

意外に組める

デーツは中身のほとんどが糖で、香りの成分はごく僅かです。だから他の香りを邪魔しません。甘さだけを足したい、というときに代わりが利かない素材です。

デーツが、どの方向へ働くか

意外に組める素材

ハバネロ

甘い果実と、激辛の実。カリブや中南米では、果物と唐辛子が同じ皿に載ります。ハバネロにアプリコットのような香りがあることを知ると、この組み合わせが理屈でも通ることがわかります。甘さが熱の角を取ります。

クミン

甘い果実と、乾いた土。正反対に見えますが、中東や北アフリカの料理では同じ鍋にいます。デーツの甘さは平板になりやすいので、土が芯を通すと立体になる。InspiceのスパイスカレーNo.4がこの構造です。

一緒に使うと伸びる素材

甘さに輪郭をつける ── カシア、カルダモン、トンカ豆

中東の菓子の組み立て。デーツの甘さは平板になりやすいので、香りの高い素材を乗せると立体になります。

苦みと組む ── カカオニブ、フェヌグリーク、ピュアココア

甘さを苦みが受ける方向。砂糖では出せない、深さのある甘さになります。

辛さと組む ── 唐辛子、ハバネロ、ブラックペッパー

甘さと熱。北アフリカや中東の料理でこの組み合わせが多いのは、甘さが熱の角を取るからです。

料理への応用

使いどき

刻んで煮込みに

種を除いて刻む

甘さととろみが同時に出る。

カレータジン肉の煮込み

ペーストにする

ぬるま湯で戻して潰す

甘味料として使える。

ソース菓子スムージー

そのまま添える

種を除いた実

甘さと食感が残る。

チーズナッツコーヒー
デーツを、いつ入れるか

刻んで煮込みに種を除いて刻む

種を除いて粗く刻み、煮込みに入れます。煮ているうちに崩れて、甘さととろみが全体に回ります。砂糖を入れるのとは、コクが違います。

ペーストにするぬるま湯で戻して潰す

ぬるま湯に浸けてから潰します。砂糖の代わりに使える形で、菓子でも料理でも扱いやすくなります。

そのまま添える種を除いた実

切って添えるだけ。中東ではコーヒーやナッツと一緒に出されます。ピスタチオを詰めるのも定番です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど1粒料理に甘さとコクが出る。デーツとは気づかれない
効かせる2〜3粒果実の甘さだとわかる。ふだんはここ
主役にする5粒以上デーツの料理になる

砂糖より甘さが穏やかに感じられますが、糖の量としては多い素材です。甘さの設計として使ってください。

この食材と合う理由

羊、鶏、ナッツ、チーズ、カカオ、コーヒー、根菜。中東と北アフリカの料理と広く合います。デーツは香りを持ち込まないので、スパイスの香りをそのまま活かしながら甘さだけを足せる。タジンやカレーで重宝します。

すでに甘い料理には向きません。甘さが足し算になって、ぼやけます。

うまくいかないときの直し方

  • 硬くなった乾きすぎです。ぬるま湯に浸けると戻ります。刻んで料理に使うぶんには問題ありません
  • 甘すぎる量を減らすか、酸味を足してください。レモンや酢が効きます
  • 白い粉が吹いている糖が結晶化したものです。傷んでいるわけではありません

一皿の設計例

デーツとチーズ。種を抜いたデーツに、クリームチーズかブルーチーズを詰めるだけ。甘さと塩気が同時に来て、それだけで一皿になります。

選び方・保存

ねっとりして、つやのあるものを。硬く乾いたものは水分が抜けています。

白い粉は糖の結晶で、傷みではありません。

密閉して冷暗所か冷蔵庫へ。乾いたらぬるま湯で戻せます。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがデーツを使っているのは、スパイスカレー シンフォニーNo.4の一本だけです。ただし原材料表の一番目——この商品でいちばん多い素材です。

スパイスカレーで、いちばん多いのがスパイスではなく果実。これはかなり変わった構成です。No.4は甘さから組み立てたカレーで、デーツが土台をつくり、そこへビングチェリーがもう一つの果実の甘さを重ねています。

デーツは香りを持ち込まないので、その上に乗るスパイスの香りが濁りません。甘さの土台としては、これ以上ないほど扱いやすい素材です。

デーツが働いている商品

デーツは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

デーツはどんな甘さですか?

砂糖とは質が違います。糖のほかにわずかな酸味とコクがあり、後味が長い。黒糖やはちみつに近い、輪郭のある甘さです。

砂糖の代わりになりますか?

なります。ぬるま湯で戻して潰せばペーストになり、菓子でも料理でも使えます。砂糖より香りがあるぶん、コクのある甘さになります。

カレーに果実が入るのは珍しくないですか?

珍しくありません。中東や北アフリカの料理では、肉の煮込みにデーツやあんずを入れるのが定番です。甘さが熱と塩気の角を取ってくれます。

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