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釘の形をした、香りの最も濃いつぼみ
クローブは、熱帯の常緑樹の、まだ開いていない花のつぼみを乾かしたスパイスです。あの釘のような形は、そのままつぼみの形です。
木は五年めから花をつけ、そこから百年ほど収穫が続きます。ラテン語の「釘」が語源で、多くの言語で釘のスパイスと呼ばれてきました。
強い。まずそこから始めるべきスパイスです。甘さと、薬のような清涼感と、渋み。一粒で料理の方向が決まってしまうほどの力があります。使う量を間違えると、他の全員が消えます。
それでいて、後味は丸い。ミントに似た香りとバナナのような甘さが微量に含まれていて、それが角を落としています。強いのに攻撃的ではない、という不思議な性格はここから来ています。
香りの成分は油に溶け、水にはほとんど溶けません。しかも取り出したそばから飛んでいく。だからパウダーは早く落ちますし、ホールを使う直前に挽くのがいちばん香ります。
香りの行き先
甘いスパイスと、苦い豆。菓子の文脈でなら並びますが、香りの成分でも通じています。クローブの渋みとカカオのほろ苦さが同じ側にあるので、重ねてもぶつからない。むしろカカオのコクが厚くなります。
花のつぼみと、バジルの葉。植物としてはまったく遠いのに、香りの主成分が同じです。トゥルシーがバジルらしくないのは、香りの側ではクローブの親戚だから。インドでこの二つが同じ料理に入るのは、理にかなっています。
同じ方向の甘く温かい香りを束ねる組み合わせ。ただしクローブが一人で強いので、他を増やしてクローブを減らす、という配分になります。
甘さの側に、ぴりっとした刺激を足す方向。肉料理でクローブを使うとき、甘くなりすぎるのを防ぎます。
苦みと香ばしさの側へ。クローブの渋みが下支えになって、料理の底が深くなります。
入れどき
はじめ、油に
ホール
香りが行き渡るまで時間が要る。最初に入れる。
途中、食材に刺す
ホール
点で効かせる。全体には回らない。
最後、ひとつまみ
パウダー
甘い香りがまっすぐ立つ。加減が難しい。
弱火の油にホールごと。香りは油に溶けるので、最初に油と合わせます。数を数えて入れると、取り出すときに困りません。
玉ねぎやハムにそのまま刺します。全体に回らないぶん、加減がしやすい。強すぎるスパイスを安全に使うための、古くからの知恵です。
必ずひとつまみずつ。足りなければ足せますが、多すぎたら戻せません。パウダーは香りが強いので、指先で量るくらいがちょうどいい。
ホール12粒でおよそ小さじ1杯です。他のスパイスより一段少なく見積もってください。入れすぎたクローブは、どんな手を使っても隠せません。
鴨、牛肉、豚肉。コクのある肉に向きます。そして果物——オレンジ、チェリー、りんご。ワインやチョコレートとも組めます。強い香りどうしがぶつかりそうに見えて、じつは互いを立てる関係です。
淡白な魚介や、繊細な野菜料理には向きません。クローブが一人で立ってしまいます。
オレンジのクローブ煮。輪切りにしたオレンジと砂糖、クローブを2粒。弱火で煮るだけです。冷やしてヨーグルトに添えると、香りの立ち方が変わります。
ふっくらして、軸を爪で押すと精油がにじむものが上等です。細く痩せて乾ききったものは、香りがすでに抜けています。
ホールで買ってください。パウダーは香りの落ちが特に早いスパイスです。使う直前に挽くか、ホールのまま使うほうが確実です。
密閉して冷暗所へ。ホールなら一年以上保ちます。数えて使う習慣をつけると、入れすぎも取り出し忘れも防げます。
Inspiceは、クローブを17のブレンドに使っています。ほとんどの商品に入っている一本です。
ただし、どの商品でも原材料表の後半にあります。前に出したことは一度もありません。クローブは一粒で全体を支配してしまうスパイスなので、最初から「底を支える役」として置いています。強いものを強いまま使わない、というのがこの素材への構えです。
例外がフレアラインMELLOW FIREで、ここでは全6素材のうちの一つとして、はっきり香る位置にいます。カカオニブの苦みとハバネロの熱を受け止めるには、この強さが要りました。
クローブは、Inspiceの17のブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。
チャイ(スパイスパック)「カカオニブチャイ スパイスパック」 2パック入りカカオの苦みと同じ側から支える役。ここでは渋みが素直に噛み合います。
チャイ(スパイスパック)「チャイ スパイスパック」 2パック入りチャイの底。カシアの甘さの下に、渋みで足場を置いています。
チャイ(CHAInstant)4 FLAVOR CHAInstant PACK「4フレーバー チャインスタント パック」4種の詰め合わせ。どの一杯でも底を支える位置は変わりません。
チャイ(CHAInstant)CHAInstant「チャイ インスタント」チャイと同じ役割。溶かして飲む形でも、底を支える位置は変えていません。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.3甘い香りの層を厚くする役。同じ方向のスパイスを複数重ねた、この一本の設計の中心です。
ディッシュディッシュ シンフォニーNo. 1香ばしさの主役たちの下に敷く底。表に出ないところで料理の深さをつくっています。
ディッシュディッシュ シンフォニーNo. 3五香粉の甘い側を担う一員。しびれと熱の下で、甘さの芯になっています。
チャイ(CHAInstant)CACAONIBS CHAInstant「カカオニブチャイ インスタント」ごく少量。カカオが十分に苦いので、ここでは控えめにしてあります。
チャイ(CHAInstant)Golden CHAInstant「ゴールデンチャイ インスタント」ターメリックの土の下に、さらに一枚。ゴールデンの底が抜けないようにする役です。
チャイ(CHAInstant)HotBoost CHAInstant「ホットブーストチャイ インスタント」熱が主役の一杯で、その熱を下から支えています。
チャイ(CHAInstant)MINT CHAInstant「ミントチャイ インスタント」涼しさが主役の一杯で、底に温かさを一枚だけ残しています。
チャイ(CHAInstant)Yomogi CHAInstant「ヨモギチャイ インスタント」よもぎの青さの下に、甘い渋みを。青さだけにさせないための配置です。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.1表の最後。土台が固まっているぶん、最小限の底だけを足しています。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.2ごく少量。明るいカレーに、沈む方向の重りを一つだけ置いています。
スパイスカレースパイスカレー スパイスパック シンフォニーNo.4果実の甘さの下に敷く渋み。甘いだけの一本にしないための重りです。
ディッシュディッシュ シンフォニーNo. 2表の終わりに近い位置。土と柑橘が主役の一本で、その下の暗い層を担っています。
フレアラインFlareLine「MELLOW FIRE(メロウ・ファイア)」6素材だけのブレンドで、はっきり香る位置。カカオの苦みとハバネロの熱を、渋みで受け止めています。他のスパイスより一段少なくしてください。2人分ならホール2〜4粒、パウダーならひとつまみから。足りなければ足せますが、多すぎたクローブは隠せません。
ホールです。香りの落ちが特に早いスパイスなので、パウダーは買ってから数か月で別物になります。ホールなら一年以上保ちますし、数を数えて使えるので入れすぎも防げます。
オールスパイスがいちばん近い方向です。名前のとおりクローブ・シナモン・ナツメグを合わせたような香りを持っています。ただしクローブほど強くないので、同じ量では物足りなく感じます。
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