English
Free shipping within Japan on orders over ¥1,000 ─ Inspice KANAZAWA, our Higashiyama flagship, is open
Inspiceスパイス事典唐辛子
唐辛子(とうがらし)
Chili Pepper

唐辛子

熱の源。品種と使い方で表情が変わる

唐辛子は、ナス科の果実です。パプリカと同じ種で、辛い品種を選んで育てたものが唐辛子になります。

唐辛子とは

学名
Capsicum annuum ほか
科名
ナス科
使用部位
果実
原産地
中南米
主な産地
中国、インド、メキシコ、韓国
和名
唐辛子(とうがらし)
別名
チリ、レッドペッパー、鷹の爪
流通の形
乾燥ホール/粗挽き/パウダー

中南米からアジアへ渡り、四川、韓国、タイ、インドの料理を作り変えました。日本に来たのは16世紀ごろで、意外に新しい素材です。

どんな働きか

熱さです。辛さと呼んでいますが、感じているのは温度に近いものです。口のなかにある、熱を感じる神経が反応している。料理は熱くないのに熱いと感じる——唐辛子が起こしているのは、この錯覚です。

だから水では消えません。辛さの成分は油に溶けるので、水を飲んでも口のなかを移動するだけです。牛乳やヨーグルト、油脂のあるものが効きます。

そして辛さは、種ではなくわたにあります。真ん中の白い部分。ここを外すかどうかで、同じ唐辛子でも辛さが大きく変わります。「種を取る」と言われますが、正確には「わたを取る」です。

働きの地図

唐辛子

意外に組める

唐辛子の辛さは、香りでも味でもありません。熱いものに触れたときに反応する神経が、辛味成分に反応してしまう。だから料理は熱くないのに、熱いと感じる。しびれや刺す辛さとは、まったく別の仕組みです。

唐辛子が、どの方向へ働くか

意外に組める素材

カカオニブ

熱と、苦み。菓子と料理くらい離れて見えますが、香りの成分を分け合っています。メキシコのモレソースがカカオと唐辛子を一緒に煮るのは、この近さの上に成り立っています。

シナモン

焼ける辛さと、甘い樹皮。正反対ですが、唐辛子には果実のような甘い香りの側面もあります。中南米の料理でこの二つが同居するのは、その甘さどうしが噛み合うからです。

一緒に使うと伸びる素材

辛さの種類を増やす ── 赤花椒、ブラックペッパー、ジンジャー、マスタード

焼ける辛さ、しびれ、刺す辛さ、温まる辛さ、鼻に抜ける辛さ。それぞれ別の仕組みなので、並べても打ち消し合いません。辛さを量ではなく種類で増やす考え方です。

甘さで包む ── シナモン、オールスパイス、カカオニブ

熱を甘い香りで受け止める方向。メキシコのモレソースがカカオと唐辛子を煮るのは、この関係です。

土と組む ── パプリカ、クミン、白ごま

焙った土の上に熱を乗せる方向。同じ種のパプリカと組ませると、赤い色と熱が同時に整います。

料理への応用

使いどき

はじめ、油に

乾燥ホール

辛さが油に溶け、料理全体に回る。

炒め物ペペロンチーノカレー

わたを取ってから使う

わたを除いた乾燥ホール

辛さが大きく下がる。香りは残る。

煮込みスープマリネ

最後、粉をふる

粗挽き/パウダー

辛さがまっすぐ立つ。加熱ゼロがいちばん鋭い。

スープうどんチゲ
唐辛子を、いつ入れるか

はじめ、油に乾燥ホール

低温の油で。辛さの成分は油に溶けるので、最初に油と合わせると全体に行き渡ります。焦がすと苦みだけが残るので、色が濃くなる前に取り出してください。

わたを取ってから使うわたを除いた乾燥ホール

縦に開いて、白いわたと種をこそげます。辛さの大半はわたにあるので、これだけで別の素材のようになります。辛くしたくないときの基本です。

最後、粉をふる粗挽き/パウダー

火を止めてから。粒子が細かいほど辛く感じられるので、粗挽きと粉では効き方が違います。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど1/2本(わたを取る)料理が締まる。辛いとは感じない
効かせる1本辛さがわかる。ふだんはここ
主役にする2本以上辛い料理になる

辛さは戻せません。人に出すなら少なめから。わたを取れば、同じ本数でも大きく下げられます。

この食材と合う理由

豚、鶏、豆、なす、トマト、キムチ、チョコレート。脂のあるものと、水分の多い野菜。辛さは脂のなかで広がるので、油を使う料理ほど効きます。乳製品と組ませると、辛さが穏やかになりながら香りだけが残ります。

繊細な白身魚や、出汁の効いた和食には向きません。辛さが料理の構造ごと変えてしまいます。

うまくいかないときの直し方

  • 辛すぎた水では消えません。牛乳、ヨーグルト、油脂を足してください。砂糖も効きます
  • 辛くしたくないわたを取ってください。辛さの大半は種ではなく、真ん中の白いわたにあります
  • 苦くなった油で焦がしています。色が濃くなる前に取り出してください

一皿の設計例

わたを取った唐辛子のオイル。わたと種を除いた唐辛子を、低温のオリーブオイルで温めるだけ。辛すぎず、香りだけが移ります。パスタにも野菜にも使えます。

選び方・保存

赤が鮮やかで、しなやかなものを選んでください。褐色になったものは香りが落ちています。

乾燥ホールなら一年ほど。粉は半年で香りが飛び、辛さだけが残ります。

密閉して冷暗所へ。粉は特に湿気を嫌います。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceは、唐辛子を4つのブレンドに使っています。ただし、カレーには一本も入れていません。

辛さはHOT SPICEとフレアラインに集めてあります。カレーやディッシュは、辛さではなく香りで組み立てる——という線引きです。「辛くないスパイス料理」を成立させるために、辛さの担当を分けています。

the cocoaには、バスク産のエスプレットという中辛の唐辛子を、ごく少量だけ入れてあります。柑橘の香りを持つ品種で、辛さのためではなく香りのために選びました。カカオと唐辛子は、メキシコで長く組まれてきた関係でもあります。

よくある質問

唐辛子の辛さを弱めるには?

わたを取ってください。辛さの大半は種ではなく、真ん中の白いわたにあります。これだけで大きく変わります。すでに辛くしてしまったなら、牛乳やヨーグルト、油脂を足してください。水では消えません。

なぜ水を飲んでも辛さが消えないのですか?

辛さの成分が油に溶けるものだからです。水では口のなかを移動するだけで、洗い流せません。乳製品や油脂のあるものが効きます。

パプリカと同じ植物ですか?

同じ種です。辛い品種を選んで育てたものが唐辛子、辛くない品種がパプリカ。植物としては同じもので、香りの成分も共通しています。

事典の一覧へ戻る →

Marketplace

Inspice, on the marketplaces too.

Order with the marketplace account you already use.