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甘さの基準そのもの。発酵が生んだ莢
バニラビーンズは、ラン科のつる植物の果実です。緑色の未熟な莢を摘み、発酵させて乾かす。この工程を経てはじめて、黒く艶のある莢と、あの甘い香りになります。
中央アメリカで古くから使われ、カカオの飲みものに加えられていました。ヨーロッパへ渡ってからは、菓子の甘さの基準になっています。
甘い、と言われて多くの人が思い浮かべる香りです。菓子でも飲みものでも、この香りが基準になっている。だから料理に入れると、それだけで甘いものの側に寄ります。砂糖を増やさずに甘さの印象を上げられるのは、この性質のためです。
この香りは、植物が最初から持っているものではありません。摘んだばかりの緑の莢はほとんど香らない。湯に通し、日に当てて汗をかかせ、時間をかけて乾かす。その過程で香りが生まれます。加工が香りをつくった素材です。
トンカ豆と並べると分かりやすい。どちらも甘さを担当する素材で、Inspiceのチャイでは同じ一杯に入っています。ただし甘さの出どころが違います。トンカ豆の甘さはクマリンで、桜の葉と同じもの。だから桜餅の側へ寄ります。バニラの甘さはバニリンで、草の匂いを含みません。まっすぐ甘い。量も、バニラのほうが多く要ります。
Where the scent goes
菓子の莢と、カレーの根。売り場はまるで違いますが、Golden CHAInstantでは同じ一杯にいます。ターメリックの土の香りは低いところにあって、放っておくと沈む。そこへバニラの甘さを重ねると、土に厚みが出て、飲みものとして立ち上がります。
中央アメリカでは、カカオの飲みものにバニラを入れていました。いま菓子で当たり前に見る組み合わせは、そこから続いているものです。苦みと甘さの役割分担が、最初から決まっています。
同じ方向の甘さを厚くします。トンカ豆と並べるときは、桜餅の側とまっすぐな甘さの側で役割が分かれます。一種類では出ない厚みが出ます。
土の香りは低いところにあります。甘さを上から重ねると、沈まずにまとまります。Golden CHAInstantがこの構造です。
甘さを苦みで受ける方向。カカオにも紅茶にも入っていけます。
When to add it
莢を裂いて種を出す
ホールの莢
甘い香りがまっすぐ立つ。ここが本領。
牛乳やクリームに浸す
裂いた莢と種
脂肪に香りが移る。
莢ごと煮出す
種を取ったあとの莢
香りが穏やかに全体へ回る。
包丁で縦に裂いて、背でこそげます。黒い種だけを使うと思われがちですが、莢の内側にも香りが残っています。
温めた牛乳に入れて、しばらく置きます。脂肪が香りをよく受け止めるので、乳製品と合わせるのがいちばん確実です。
種を取ったあとの莢も使えます。捨てずに一緒に煮ると、まだ十分に香ります。
トンカ豆より多く要ります。同じ甘い方向でも、香りの強さが違います。
牛乳、クリーム、卵、チョコレート、紅茶、りんご、桃、いちご。乳製品と果物です。脂肪のなかで香りがよく広がるので、カスタードやアイスで使うといちばん活きます。飲みものなら、土の香りや苦みのある素材と組むと役割がはっきりします。
塩気の強い料理には向きません。甘いものだと味覚が先に判断してしまい、料理の方向が変わります。
バニラのホットミルク。温めた牛乳に、裂いた莢を1/4本と砂糖を少し。しばらく置いてから莢を引き上げます。寝る前に。
黒く艶があり、しなやかに曲がるものを。折れるほど乾いているものは香りが落ちています。
密閉して冷暗所へ。冷蔵庫に入れると乾いて硬くなります。
使い終わった莢は洗って乾かし、砂糖に埋めておくと最後まで使えます。
Inspiceがバニラビーンズを使っているのは、Golden CHAInstantの一杯です。
この一杯はターメリックが主役です。黄金色と、土の香り。土の香りは低いところにあって、放っておくと沈みます。そこへ甘さを上から重ねて、蓋をする。バニラはその担当です。
同じ一杯にはトンカ豆も入っています。甘さの担当が二つある。ただし役割は分けてあります。トンカ豆はクマリンの甘さで、桜餅の葉の側。バニラはバニリンのまっすぐな甘さ。方向は近いのに出どころが違うので、重ねると甘さに厚みが出ます。一種類では、この厚みにはなりません。
砂糖を増やさずに甘さの印象を上げられる。それがこの素材を置いている理由です。
バニラビーンズ is in 1 Inspice blends. The tiers below come from the order of the ingredient list. The strength of a scent varies enormously between materials, though, so a small amount can still speak loudly.
違います。莢そのものを使うのがビーンズで、香りをアルコールなどに移したものがエッセンスやエキストラクトです。ビーンズは莢と種の両方に香りがあり、加熱しても比較的よく残ります。
どちらも甘い香りの素材ですが、出どころが違います。トンカ豆はクマリンで、桜の葉と同じ成分。草の匂いを含みます。バニラはバニリンで、まっすぐ甘い。量はバニラのほうが多く要ります。
捨てないでください。莢の内側にも香りが残っています。牛乳やシロップに入れて煮出すか、洗って乾かして砂糖に埋めるとバニラシュガーになります。
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