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「楽園の粒」と呼ばれた西アフリカのスパイス
マニゲットは、西アフリカ原産のショウガ科の種子です。「楽園の粒」という名で、中世のヨーロッパで胡椒の代わりとして流行しました。
胡椒がまだ高価だった時代、その代用として西アフリカから運ばれました。産地の海岸は「胡椒海岸」と呼ばれ、いまも地名に残っています。
辛い。胡椒に似た、刺す辛さです。そこにカルダモンのような芳香が重なる。ショウガ科なので、カルダモンや生姜の親戚にあたります。
ただし、辛さの成分は胡椒とも生姜とも違うものです。マニゲットにしかない。だから「胡椒の代用品」として広まったのに、実際には代わりになっていません。似ているようで、別の辛さです。
香りは温かく、ムスクのような余韻があります。噛むと最初に芳香が来て、そのあと辛さが追いかけてくる。この順番が胡椒と逆で、それがこの素材の面白さです。
香りの行き先
西アフリカの辛い種子と、インドの甘い種子。方向がまるで違いますが、香りの成分をひとつ分け合っています。マニゲットは他とほとんど繋がりを持たない孤立した素材なので、この一本の細い橋は貴重です。
辛さと、甘い渋み。マニゲットのムスクのような余韻は、クローブの温かさと同じ側にあります。北アフリカのミックススパイスでこの二つが並ぶのは、この関係です。
マニゲットの辛さは他のどれとも別の仕組みなので、並べても打ち消し合いません。辛さの種類を増やす方向です。
同じショウガ科のカルダモンとは、香りの方向が揃います。辛さを増やさずに、香りだけを高くできます。
ムスクのような余韻を、甘く温かい側へ寄せる方向。北アフリカのミックススパイスでこの並びがよく使われます。
入れどき
はじめ、砕いて油に
砕いたホール
辛さと芳香が油に移る。
肉にすり込む
粗挽き
焼き面で芳香が立ち、辛さが後から来る。
最後、挽きたてを
挽きたて
芳香が先、辛さが後。順番がそのまま出る。
軽く砕いてから油へ。硬い種子なので、丸のままだと香りが出にくい。数えて入れておくと取り出せます。
塩と一緒にすり込みます。西アフリカや北アフリカの肉料理でこの使い方が定番です。
仕上げに挽きます。マニゲットの持ち味は香りと辛さの時間差なので、加熱しないほうがはっきり出ます。
黒胡椒より辛さが穏やかなので、量は多めで構いません。胡椒の代用にするなら、三倍くらいが目安です。
ラム、鶏、牛、かぼちゃ、豆、根菜。北アフリカや西アフリカの料理の食材と合います。芳香と辛さを同時に持つので、シナモンやクミンの効いた煮込みのなかでも埋もれません。北欧では蒸留酒の香りづけにも使われます。
繊細な白身魚には強すぎます。菓子にもほとんど使われません。
かぼちゃのソテーにマニゲット。焼いたかぼちゃに塩と、挽きたてのマニゲット。甘さのあとに芳香が来て、最後に辛さが追いかけてきます。
赤褐色の小さな角ばった種子です。硬く、指では潰せません。
ホールなら数年保ちます。パウダーはほとんど流通していません。
密閉して冷暗所へ。かさが少ないので、少量でも長く使えます。
Inspiceがマニゲットを使っているのは、ディッシュ シンフォニーNo.3の一本だけです。ただし原材料表の三番目、上位です。
面白いのは、この一本のなかでマニゲットが誰とも香りを分け合っていないことです。同じ商品に入っているコリアンダー、クミン、フェンネル、スターアニス、花椒、クローブ、カシア、ペパーミント——そのどれとも、共通する香りの成分がありません。
つまり、混じらない辛さとして単独で立っています。同じ一本には赤花椒と青花椒のしびれもある。しびれと、混じらない辛さ。刺激が二層になった構成です。
マニゲットは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。
西アフリカ原産のショウガ科の種子で、「グレインズ・オブ・パラダイス(楽園の粒)」とも呼ばれます。胡椒に似た辛さと、カルダモンのような芳香を同時に持っています。
中世にはそう考えられて広まりましたが、実際には別の辛さです。マニゲットの辛さの成分は、このスパイスにしかありません。代用するなら三倍くらいの量が要りますし、香りは別物になります。
北アフリカや西アフリカの肉料理が本場です。ラムや鶏に塩と一緒にすり込むのが基本。芳香が先に来て辛さが後から追いかけてくるので、仕上げに挽くとその時間差がよくわかります。
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