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Inspiceスパイス事典ジュニパーベリー
ジュニパーベリー(ジュニパーベリー)
Juniper Berry

ジュニパーベリー

ジンの香りの正体。森の針葉樹の実

ジュニパーベリーは、ヒノキ科の常緑低木の球果です。ベリーと呼ばれますが果実ではなく、松ぼっくりが肉厚になったものです。

ジュニパーベリーとは

学名
Juniperus communis
科名
ヒノキ科
使用部位
球果(ベリーと呼ばれる)
原産地
ヨーロッパ・北米・アジアの温帯
主な産地
南欧、東欧、バルカン半島
和名
セイヨウネズ(杜松)
別名
ジュニパー、コモンジュニパー
流通の形
ホール(乾燥)

ジンの香りは、この実から来ています。ジンと名乗るためにはジュニパーが主体でなければならない、と法律で決められている国もあるほどです。

どんな香り

松やに。まずこの一語です。針葉樹の森に入ったときの、あの樹脂の匂い。そこに柑橘の切れ味と、わずかな花の香りが乗ります。

実は糖分が多く、生の球果は甘い。乾かしたものを噛むと、樹脂の奥にほのかな甘さがあるのがわかります。この甘さがあるから、ただ薬っぽくならずに料理に入っていけます。

そして、乾煎りは要りません。指で潰すだけで十分です。表面のすぐ下に油の袋があり、潰した瞬間に香りが立つ。ここは他の多くのスパイスと違うところです。

香りの行き先

ジュニパーベリー

意外に近い

ジュニパーには固有の香りがありません。持っている香りをすべて他と分け合っている。それでいて「ジンの香り」として誰もが知っている——橋渡し役でありながら、はっきりした顔を持っている珍しい例です。

一緒に使うと伸びる

松の香りを深める

ジュニパーベリーの香りが、どの方向へ伸びるか

意外に近い素材

高原赤山椒

北欧の森の実と、飛騨の山の実。産地としては地球の反対側ですが、香りの成分を四つ分け合っています。針葉樹の樹脂と山椒の柑橘は、同じ側にある。InspiceのディッシュNo.4は、この二つを同じ一本に置いた唯一のブレンドです。

コリアンダー

樹脂の実と、柑橘の種子。方向が違うのに、これがとてもよく合います。ジンの調合でジュニパーとコリアンダーが定番の組み合わせになっているのは、偶然ではありません。

一緒に使うと伸びる素材

松の香りを深める ── クミン、ブラックペッパー

樹脂の香りに、乾いた土と刺す辛さを重ねる方向。ジビエや羊のように香りの強い肉で、骨格が出ます。

香草の側へ ── ローリエ、カルダモン、ローズマリー

同じ方向の清涼感を重ねる組み合わせ。煮込みやマリネ液で、森の香りがはっきり立ち上がります。

柑橘とフローラルを足す ── コリアンダー、レモンピール、ジンジャー

重くなりがちな樹脂の香りを、上へ抜く方向。コリアンダーとの相性がとくによく、ジンの調合でもこの二つは定番です。

料理への応用

入れどき

はじめ、潰して肉にすり込む

潰したホール

肉の表面の脂が香りを運ぶ。

ジビエラム豚の塊肉

途中、煮込みに

潰したホール

樹脂の香りが全体に回り、肉のクセと釣り合う。

シチューザワークラウトマリネ液

茶に浮かべる

潰したホール

檜のような清涼感が立つ。

ハーブティー炭酸水
ジュニパーベリーを、いつ入れるか

はじめ、潰して肉にすり込む潰したホール

指か包丁の腹で潰して、塩と一緒にすり込みます。乾煎りは要りません。潰した瞬間に香りが立つので、そのまま使えます。

途中、煮込みに潰したホール

数粒を潰して入れます。香りは油とアルコールが運ぶので、ワインを使う煮込みと相性がよい。数えて入れると取り出すときに困りません。

茶に浮かべる潰したホール

潰して湯に浮かべるだけ。ジンを飲まない人でも、この香りだけを楽しめます。数粒で十分です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど3粒料理に森の気配が出る。ジュニパーとは気づかれない
効かせる6粒樹脂の香りだとわかる。ふだんはここ
主役にする10粒ジュニパーの料理になる

必ず潰してください。丸のままではほとんど香りません。潰す・潰さないの差が、量の差より大きいスパイスです。

この食材と合う理由

鹿、猪、鴨、羊、豚。それにキャベツとビーツ。香りの強い肉と、癖のある野菜。ジュニパーはクセを消すのではなく、森の香りで釣り合いを取ります。ジビエとジュニパーという定番には、この関係があります。

淡白な白身魚や、繊細な出汁の料理には強すぎます。菓子にもほとんど使われません。

うまくいかないときの直し方

  • 香りがしない潰していません。丸のままではほとんど香らないので、必ず指か包丁の腹で潰してください
  • 薬っぽい入れすぎです。樹脂の香りは量が過ぎると薬品のような印象になります。半分に減らして、柑橘を足してみてください
  • 乾煎りしても香りが立たないジュニパーに乾煎りは要りません。表面のすぐ下に油の袋があるので、潰すだけで香りが出ます

一皿の設計例

ジュニパーの塩。潰した実5粒と塩大さじ1をすり鉢で合わせるだけ。焼いた豚肉や、蒸したじゃがいもにふると、森の匂いがします。

選び方・保存

紫がかった黒い球で、表面に白い粉が吹いていることがあります。指で潰せる柔らかさがあるものが新しい。硬く干からびたものは香りも抜けています。

ホールで一年ほど。パウダーはほとんど流通していませんし、必要もありません。潰すだけで十分だからです。

密閉して冷暗所へ。数えて使う習慣をつけると、煮込みから取り出し忘れることがありません。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceがジュニパーベリーを使っているのは、ディッシュ シンフォニーNo.4の一本だけです。原材料表の三番目、上位です。

No.4は「土の中に咲く花」という香りの風景を持つ一本です。奥飛騨の高原赤山椒も同じ一本に入っていて、この二つは香りの成分を四つ分け合っています。産地としては地球の反対側ですが、実際に組ませると噛み合います。

山椒とジュニパー。日本の山と北欧の森が、同じ一本のなかで手を結んでいる配置です。

ジュニパーベリーが働いている商品

ジュニパーベリーは、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

ジュニパーベリーはどう使えばいいですか?

必ず潰してから使ってください。丸のままではほとんど香りません。指か包丁の腹で潰して、肉にすり込むか、煮込みに数粒。乾煎りは要りません。

ジンの香りと同じですか?

同じです。ジンの香りの主体はジュニパーベリーで、ジンと名乗るために必要な条件になっている国もあります。ジンが好きなら、この実の香りが好きということです。

何粒入れればいいですか?

2人分なら6粒ほど。ただし潰しているかどうかで香りの出方がまるで違うので、量より先に潰すことを確認してください。

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