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Inspiceスパイス事典昆布
昆布(こんぶ)
Kombu Kelp

昆布

うま味の原点。海からきた「だしのスパイス」

昆布は、海で育つ褐藻を乾かしたものです。日本の料理が「旨み」という言葉を持てたのは、この海藻からでした。

昆布とは

学名
Saccharina japonica
分類
コンブ科(褐藻)
使用部位
葉状部(乾燥)
原産地
北日本の沿岸
主な産地
北海道(日高・利尻・羅臼・真昆布)
和名
昆布(こんぶ)
別名
だし昆布
流通の形
乾燥(板・刻み・粉末)

だしを取るために乾かす、という使い方が定着しています。産地によって性格が違い、羅臼は濃く、利尻は澄み、真昆布はその中間、と言われます。

どんな働きか

旨みです。それも、椎茸とは種類の違う旨みです。舌の広い範囲に、平らに広がる。椎茸の旨みが厚みだとすれば、昆布の旨みは面積に近い感覚です。

香りはほとんど主張しません。だしを取ったあとの昆布を嗅いでも、際立った匂いはない。これは欠点ではなく、味覚だけに働く素材だということです。だから何を合わせても、香りの邪魔をしません。

そして椎茸と組むと、足し算ではなくなります。二種類の旨みを重ねると、それぞれの合計よりも強く感じられる。和食が長いあいだ、昆布と鰹、昆布と椎茸を組み合わせてきた理由がここにあります。

働きの地図

昆布

役割が近い

意外に組める

昆布は香りではなく味覚に働く素材です。だしを取ったあとの昆布を嗅いでも、際立った匂いはない。香りのスパイスと役割がまったく重ならないので、どんなブレンドにも入っていけます。

一緒に使うと伸びる

旨みを掛け合わせる

焙った香ばしさと組む

昆布が、どの方向へ働くか

意外に組める素材

ホワイトペッパー

海の乾物と、胡椒。和洋の隔たりがありますが、どちらも「香りを主張せずに味の土台を上げる」働きをします。白胡椒が和食のスープに馴染むのは、この控えめさが昆布と揃うからです。

高原赤山椒

旨みの素材と、香りの素材。役割が正反対だからこそ噛み合います。昆布は香りを持たないので、山椒の澄んだ柑橘がそのまま立つ。和食の椀物の構造そのものです。

一緒に使うと伸びる素材

旨みを掛け合わせる ── 椎茸

種類の違う旨みを重ねると、合計よりも強く感じられます。和食がいちばん長く使ってきた組み合わせで、理屈より先に経験が知っていたことです。

焙った香ばしさと組む ── 白ごま、パプリカ

旨みの上に香ばしさを乗せる方向。肉を使わない料理でも物足りなくなりません。

香りを乗せる ── 高原赤山椒、ホワイトペッパー、テリーチェリーブラックペッパー

昆布は香りを持ち込まないので、何を乗せても喧嘩しません。土台としていちばん扱いやすい素材です。

料理への応用

使いどき

冷たい水に浸けておく

板のままの乾燥

旨みが水に出る。煮立てると変わる。

だしスープ炊き込みご飯

具材と一緒に煮る

刻んだ乾燥

旨みが料理に移り、昆布も食べられる。

煮物豆料理炊き込みご飯

粉にして、仕上げにふる

粉末

旨みがまっすぐ乗る。だしを取らなくてよい。

スープ炒め物ふりかけ
昆布を、いつ入れるか

冷たい水に浸けておく板のままの乾燥

水に入れて冷蔵庫に一晩、あるいは30分ほど室温で。沸騰させると粘りとえぐみが出るので、煮立つ前に引き上げるのが基本です。

具材と一緒に煮る刻んだ乾燥

刻んだものなら、そのまま具として煮て構いません。だしを取って捨てるより、食べてしまうほうが無駄がない使い方です。

粉にして、仕上げにふる粉末

ミルで挽いて粉にします。塩と混ぜておくと、それだけで調味料になる。だしを取る時間がないときの、いちばん実用的な形です。

分量の三段階(2人分の目安

気配ほど5cm角1枚(または粉小さじ1/2)料理の底が上がる。昆布とは気づかれない
効かせる10cm角1枚(または粉小さじ1)昆布の旨みだとわかる。ふだんはここ
主役にする15cm角1枚昆布だしの料理になる

入れすぎても壊れにくい素材です。失敗するとしたら、煮立てたときのぬめりとえぐみのほうです。

この食材と合う理由

魚介、豆、根菜、米、豆腐、きのこ。旨みを持たない素材ほど効きます。昆布は香りを主張しないので、香りのスパイスと組ませても喧嘩しません。肉を使わない料理に「食べた感じ」を出したいとき、椎茸と並んで頼りになる素材です。

苦手な相手はほとんどありません。すでに旨みの強い料理に足すと、くどくなることはあります。

うまくいかないときの直し方

  • ぬめりが出た煮立てています。沸騰する前に引き上げてください
  • えぐい同じく加熱しすぎです。表面の白い粉は旨みなので、洗い流さないこと
  • 旨みが弱い浸ける時間が足りていません。冷たい水で長く置くほど出ます

一皿の設計例

昆布の粉で作る塩。乾燥昆布をミルで挽いて、同量の塩と混ぜるだけ。ゆで野菜や焼き魚にふると、だしを取らなくても旨みが乗ります。

選び方・保存

表面の白い粉は旨みです。汚れではないので、拭き取ったり洗ったりしないでください。

乾物ですが湿気を吸います。密閉して冷暗所へ。

だしを取ったあとの昆布は、刻んで佃煮や炒め物に。捨てる部分はほとんどありません。

Inspiceでは、どう使っているか

Inspiceが昆布を使っているのは、フレアラインKASUMI GLOWの一本だけです。原材料表の三番目。

この一本は、椎茸が一番目、パプリカが二番目、昆布が三番目という構成です。椎茸と昆布——種類の違う旨みを二つ重ねてある。和食が長く使ってきた組み合わせを、スパイスのブレンドに持ち込みました。

「霞」という名のとおり、燻された土と出汁の深さを設計した一本です。旨みが土台にあるので、最後に落としたハバネロの熱が浮きません。

昆布が働いている商品

昆布は、Inspiceの1つのブレンドに入っています。以下は原材料表の順位から見た層です。 ただし香りの強さは素材ごとに大きく違うので、量が少なくても主張が大きいことがあります。

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よくある質問

昆布と椎茸、どちらを使えばいいですか?

両方です。旨みの種類が違うので、重ねると合計よりも強く感じられます。どちらか一つなら、澄んだ味なら昆布、厚みが欲しいなら椎茸です。

表面の白い粉は洗うべきですか?

洗わないでください。あれが旨みです。汚れが気になるときは、固く絞った布で軽く拭く程度にしてください。

スパイスのブレンドになぜ昆布が入るのですか?

旨みを担当させるためです。昆布は香りを主張しないので、香りのスパイスと役割がぶつかりません。土台として置くと、料理に食べごたえが出ます。

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