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スパイスを入れるタイミング|油・水分・仕上げの3つの入れどき

スパイスを入れるタイミングは、油・水分・仕上げの3つです。ホールスパイスは最初に油へ、パウダースパイスは具材に火が通ってから水分の前に、煎ったホールは食べる直前に。同じスパイスでも、入れどきが変わると香りの立ち方が変わります。
入れどきは3つしかない
スパイスの香りには、油に溶けるものと水に溶けるものがあります。だから「いつ入れるか」は好みの問題ではなく、香りを取り出すための手順です。覚えるのは3つだけで足ります。
はじめ、油に入れる(ホールスパイス)
鍋に油を入れて弱火にかけ、温まったらホールスパイスを落とします。マスタードシードならパチパチと音が鳴り、クミンシードなら細かい泡が立って香りが上がってくる。そこが次へ進む合図です。
インド料理でいうテンパリングです。クミンの香りは油に溶けるので、最初に油と合わせたときと、途中で水に落としたときとでは、立ち方がまるで違います。強火にしないこと。ホールスパイスは焦げると苦みだけが残り、香りには戻りません。
途中、水分を入れる前に(パウダースパイス)
玉ねぎや具材に火が通ったところで、パウダースパイスを加えます。粉のまま具材に絡めて軽く火を通し、それからトマトや水分を入れる。この順番だと角が取れて、全体にまとまります。
粉を最初から油に入れると焦げます。表面積が大きいぶん、ホールよりずっと早く色が変わる。かといって水分を入れたあとに落とすと、香りが立たないままダマになって沈みます。パウダーの居場所は、具材のあと・水分の前です。
最後、仕上げに散らす(煎ったホールスパイス)
フライパンにスパイスだけを入れ、弱火でゆっくり煎ります。クミンなら青臭さが抜けて、バターのような香ばしさが出てくる。これを食べる直前に散らすと、一皿の印象が変わります。
香りは煮込んでいるあいだに少しずつ飛ぶので、いちばん立った香りが欲しいときは最後に足す。サラダ、焼いた肉、ヨーグルト。カレー以外でもそのまま使えます。
うまくいかないときの直し方
焦がした ── 戻せません。苦みは香りに戻らないので、作り直すほうが早いです。
香りが立たない ── パウダーが古い可能性があります。粉の香りは2〜3か月で落ちます。ホールを煎って足すと立ち上がります。
効きすぎた ── 乳製品か油脂で受けます。ヨーグルト、生クリーム、バター。酸で締めるのも効きます。

Inspiceでは、袋を分けて解いています
入れどきが3つあるということは、台所で覚えることが3つあるということです。Inspiceのスパイスカレーは、それを箱の中で解いています。
箱を開けると、スパイスの袋が2つ入っています。片方はホールスパイス、もう片方はパウダースパイス。ホールの袋は鍋に油をひいて最初に、パウダーの袋は具材に火が通ってから。袋の順に入れれば、そのまま入れどきどおりになります。計量もいりません。順番を暗記する代わりに、袋が覚えている。
調香は金沢の工房で、0.01g単位で行っています。台所で秤を出さなくていいように、その手前で全部済ませてあります。
スパイスごとの入れどきは、スパイス事典の各ページにも置いています。67種それぞれで、油・水分・仕上げのどこに向くかが違います。
よくある質問
Q. ホールスパイスとパウダースパイス、どちらを先に入れますか?
A. ホールが先です。油に入れて香りを移してから具材を炒め、火が通ったところでパウダーを加えます。逆にすると粉が焦げます。
Q. 入れるタイミングを間違えたら、途中から足せますか?
A. 足せます。香りが弱いときは、煎ったホールを仕上げに散らすのがいちばん確実です。ただし焦がしてしまった苦みだけは、消せません。
Q. ホールスパイスは食べてもいいですか?
A. カシア(樹皮)やカルダモンの殻は通常食べません。見つけたら取り除いてください。クミンやマスタードのように、そのまま食べられるものもあります。















