インスパイス チャイのスパイス。
特徴と効能のお話。
チャイではじめるスパイス生活。
スパイスが体に良いという事は、多くの人達が知っています。しかし、日常の食生活に取り入れる習慣をもっている人はというと、日本人ではまだまだ少ないのが現状です。さらに、健康効果を期待できる摂取量をとなると、もうひとつ敷居が高くなるのではないでしょうか。朝昼晩の食事で当たり前のようにスパイスを使う文化や食習慣にない人が、毎日の生活の中でスパイスをたっぷり体に取り入れることのできる方法が2つあります。一つは、カレー。そしてもう一つが「チャイ」です。
インスパイス チャイでは12種類のスパイスを配合してます。さらに、配合量や形状、淹れ方にもとことんこだわることで、本当の意味で「健康に良い」と言えるチャイになっています。
まず大切にしているのは「おいしさ」。いくら体に良いからと言ってもおいしいと思えないものは飲みたくありませんし、毎日の習慣にもなりません。おいしさを追求した上で、体にプラスとなる最善のアプローチを丁寧に重ね上げました。インスパイス チャイの大きな特徴に「パウダースパイス」があります。パウダー状になっていることで、体内にスパイス由来の健康成分をより多く取り入れることができます。茶葉とホール状のスパイスがティーパックに入っている製品とでは、その摂取量に大きな差が生まれます。カルダモンとカシアはホール状のままです。これは香りと配合量のバランスにより決まりました。パウダーにすることで香りは立ちやすくなりますが、そのぶん配合量を減らす必要がでてきます。欲しい香りと含めたい配合量のバランスを検討した結果、この2つのスパイスはホール状になっています。
淹れ方も大切です。レンジで気軽に作れるチャイ製品もありますが、やっぱり丁寧にお鍋でコトコト煮出して作る味わいとは、雲泥の差です。各スパイスから抽出できる成分量にも大きな差があり、チャイを飲むことで得られる健康面へのポジティブさにも大きな違いが生まれます。
それでは、12種類のスパイスの組み立てと効能についてお話していきます。
カルダモン
「スパイスの女王」と言われるその香りは、一言で言うとフローラル。ミントや柑橘系の爽やかさと、生姜にも似た甘く温かな香りです。また、精油成分には、抗炎症や気管支炎緩和作用があるといわれています。
カシア
セイロンシナモンに比べると甘く濃厚な香り。インド料理と相性がいいカシアは、チャイの味わいに特徴的な奥行きを与えてくれます。中国医学では「腸」の強壮薬としても使われています。
クローブ
バニラのような甘い香りに、若干の苦味を持ち、単体では個性が強いですが、他スパイスと混じり合うことで、芳香な旨味を引き出します。漢方の世界では生薬「チョウジ」として温中降逆といった胃腸を温め、体内の冷えを改善するための処方薬として使われます。また抗酸化効果が高く、アンチエイジング食材としても注目されています。
生姜(ジンジャー)
開発当初、ジンジャーは生の生姜をご自身で用意してもらうことも考えました。フレッシュな生姜を使ったチャイのテイストはやはり美味しいのですが、乾燥された生姜のほうがより身体を温める効果が高いというメリットもあり、パウダーとして配合しています。抗炎症作用・整腸効果の高いスパイスです。
八角(スターアニス)
八角の効能は生姜とよく似ていますが、煮出すことで得られるエストロゲンという女性ホルモンの分泌を促す作用が特徴です。そのため、生理痛が酷い方・生理不順の方に効果を期待でき、ストレス緩和や更年期障害へのポジティブな効果を見込まれています。シナモンを凝縮したような甘い香りを持ち、チャイには欠かせないスパイスの一つです。
上記の5つがチャイの基本スパイスとして親しまれています。そしてこれからご紹介する7つは、インスパイス チャイでしか味わえない香りやコクを生み出すために配合されたスパイスたちです。
トンカ豆
トンカ豆はクマルというマメ科の樹木になる黒い種子。香りの芳香成分のほとんどは「桜の葉」や「アーモンドの核・杏仁」「ベルガモット」に含まれている『クマリン』です。バニラのような甘い香りがし、実際にカスタードクリーム、クレームブリュレ、アイスクリーム、チョコレート、シュトーレンなどのお菓子の香り付けにも使用されています。
とってもリッチな香りが特徴なのですが、実際にとても希少なスパイスで1gあたりの価格も今回配合しているものの中では最も高価。さらに、1パックあたりの配合量が最も多いスパイスでもあります。INSPICE CHAIの中でトンカ豆が担う役割は「結合」です。各スパイスを結びつけ、ミルク/茶葉とスパイスを結びつけ、チャイと飲む人を結びつける重要なパートを担っています。香りの科学的な見地にたっても、クマリンは「酸味」や「ミルク」との相性がよく、それらを引き立てます。オーケストラで例えるなら、指揮者でしょうか。ぜひ、トンカ豆の特徴的な香りが全体を包む感じたことのない新しいチャイのフレーバーをお楽しみください。
トンカビーンズに含まれる成分のほとんどを占める「クマリン」はすごい
クマリンは優れた抗酸化物質であり、病の原因になる活性酸素を除去することに役立ち、癌や心臓病、糖尿病などの生活習慣病の予防にも役立つとされています。香料として使用されるだけでなく、抗血栓薬などの医薬品としても使用される成分です。
- 血流改善(心臓病や心筋梗塞などの病気のリスクを減らします。血流が良くなることによって、むくみの原因となる老廃物や余分な水分を排出することができ、肌を綺麗に保つために役立ちます)
- 女性のホルモンバランスの乱れによる諸症状を緩和(生理痛の緩和に加え、不妊対策やバストアップなどの効果、また更年期障害の改善など、女性特有の悩みを解決してくれます)
馬告(マーガオ)
台湾の原住民「泰雅(タイヤル)族」が、古来より調味料として長らく愛用してきた「馬告」(マーガオ)。見た目は黒胡椒のようで、山椒のような ”ピリッとした辛味" と生姜のような "ほのかな苦味" 、そしてなんと言っても素晴らしい柑橘系の爽やかで繊細な”レモングラスの香り" が特徴。その希少性から『幻の香辛料』とも呼ばれ、近年、欧米を中心に世界中の料理人から注目を浴びる魅惑のスパイスです。馬告は、開発当初からチャイに配合したいと思っていました。馬告は、ホールのまま使うのと、削って使うのとでは現れる風味に大きな違いがあります。INSPICE CHAIで引き出したかったのは馬告が持つレモングラスの香りと風味。そこでホール状のまま、パウダースパイスに配合し、ミルクと煮出しながらエッセンスを抽出するスタイルに決めました。
2000年代初頭に「Journal of Wood Science」誌に掲載された研究結果において、馬告には催眠作用や鎮痛作用を持つゲラニール、ネラール、d-レモネンが含まれており、動物の中枢神経系を調整するのに役立つことが証明されています。これにより、「抗うつ」「抗炎症」「解熱」「発汗」「鎮痛」「殺菌」「集中力アップ」「消化促進」「デトックス効果」「免疫力の増進」などの効果があるとされ、実際に原住民の間では二日酔いの頭痛を和らげるために使用されており、医食同源の自然の恵みとして珍重されてきました。
フェンネルアクナビ
通常のフェンネルシードより少し甘くて上品な香りが特徴のフェンネルアクナビを使っています。フェンネルには利尿・発汗作用があると言われており、水分の排出を促すことでむくみの改善効果が期待できます。また、血の巡りが良くなることで冷え性改善も期待でき、ダイエット中の方は最適です。
テリーチェリーブラックペッパー
インドのマラバール地方産の希少な高級ブラックペッパー「テリーチェリー」。青い未熟なうちに収穫され、天日で乾燥され作られます。最高級の胡椒といわれ、柑橘系の香りと上品かつ繊細なスパイシーさが特徴。
INSPICE CHAIでスパイシーさの中でも「苦味」というパートを担う奏者に「クローブ」があります。オーケストラの楽器でイメージすると、クローブがコントラバスで、このテリーチェリーブラックペッパーはチェロでしょうか。同じ苦味でも担当する音域が違うイメージです。重低音で全体を支えるクローブと、より軽やかに全体に絡み合うテリーチェリー。苦味はそれ自体では、美味しさに直結しませんが、全体の風味に奥行きと立体感を生み出す重要なスパイスです。一般的な黒胡椒では、この錚々たるスパイスの顔ぶれの中にあって浮き出しあってしまいますが、このテリーチェリーはその中にあって見事なハーモニーを奏でてくれています。
ナツメグ
ナツメグの深く甘いウッディーな風味は、チャイに温かみを与えてくれます。カシア(シナモン)やクローブと組み合わさることで相乗効果が生まれ、より懐の深い味わいになりました。ナツメグには腸の調子を整えてくれるミスチリンと胃の調子を整えてくれるピネンという成分が豊富に含まれています。
コリアンダー
INSPICE CHAIを飲んでいただくと、その豊かに香り立つフローラルさにご感動いただけます。コリアンダーは、乾燥したオレンジピールを思わせるほろ苦さが特徴のスパイス。さまざまなスパイスとの相性も良く、特徴的なスパイスたちを優しく包み込んでくれる存在です。
コリアンダーに期待される一番の効能は、「健胃」と「整腸」です。胃痛や胃もたれ、便秘や下痢など、胃腸のトラブルを緩和させるハーブとして古くから活用されてきました。「駆風剤(くふうざい)」としての作用が期待できるため、お腹が張りやすい人におすすめです。また、便秘対策にも役立てられています。
チムール
ネパールのタライ地域にある熱帯雨林に住んでいる民族が栽培している山椒の仲間です。フルーティな柑橘の香りと、後から追いかけるように広がる花椒(ホワジャオ)のようなピリッとした刺激が特徴のスパイス。INSPICE CHAIを印象付ける体験に「飲み終わった後に長く続く余韻」があります。その余韻を生み出すために重要な役割を担っているのがこのチムールなのです。一般的にチャイは飲み終わった後に口の中にミルク感が残ります。チムールのピリピリとした刺激と、爽やかなフレーバーが、このミルク感をより心地よい味わいに高めてくれることを発見しました。チムールがなければ、INSPICE CHAIにはならないと言えるほどに重要なスパイスです。
地球の優しさを体に。
インスパイス チャイに配合される12種類のスパイスについて、特徴や効能を見てきました。「このスパイスにはこんな歴史や効能があるんだ」といった知識を入れた上で飲むチャイはまた違った味わいや感じ方が生まれてきます。スパイスに限らず、すべての自然物は地球からの贈り物であり、優しさです。感謝を込めて、美味しくいただきましょう。