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花椒と山椒は何が違う?|四川と飛騨、同じ属で変わる香り

花椒と山椒は、どちらもミカン科サンショウ属です。しびれの成分サンショオールを共有しています。
違いが出るのは香りのほうです。四川の青山椒は柑橘に寄り、日本の青山椒はもっとすっきり立ち上がります。
Inspiceのホットスパイス「痺辛」は、この二つを同じ袋に入れています。
同じ属、違う品種
花椒(ホワジャオ)は中国のZanthoxylum bungeanum、あるいはsimulans。日本の山椒はZanthoxylum piperitum。属は同じで、種が違います。
だから「花椒は中国の山椒」という言い方は、間違いではありません。ただ、そう言い切ると香りの違いを取りこぼします。
しびれは共通、香りは共通ではない
サンショオールは、このスパイスにしか無い成分です。舌の上のチクチクした感覚は、ここからしか来ません。
ところが香りの側は事情が違います。シネオール、ゲラニオール、リモネン、リナロール、ミルセン、テルピネオール。どれもほかのスパイスと共有しています。ローリエ、ジュニパー、カレーリーフ、黒コショウは、花椒と香りの成分を複数持ち合っています。
しびれだけが四川のもので、香りは世界と繋がっている。ここが、この素材のいちばん面白いところだと思っています。
四川と飛騨で、何が変わるか
Inspiceが使う四川の青山椒は、藤椒(タンジャオ)と呼ばれるものです。グレープフルーツやパッションフルーツに例えられる、甘さのある柑橘が立ちます。
飛騨高原の青山椒は、奥飛騨でしか育ちません。日本の山椒らしい、すっきりと上に抜けていく香りです。
料理での立ち位置も違います。中国では花椒は辛味をつけるために使い、日本では山椒は辛味を足すためではなく、香りを楽しむために使う。同じ属の実が、国をまたいで正反対の役割を持っています。
「痺辛」が二種類を入れている理由
原材料表示の先頭に来るのが四川の青山椒。いちばん後ろに飛騨高原の青山椒。しびれの土台を四川がつくり、その上に日本の青山椒が香りの輪郭を置きます。
片方だけでは、しびれか香りのどちらかが足りません。同じ系統を、二つの顔で使う。そういう設計です。
ホールスパイスを家で扱うときのこと
花椒は殻が厚く、そのままでは香りが出にくい素材です。フライパンで乾炒りすると香りが立ちます。ただし炒りすぎると柑橘のリモネンが飛んでしまうので、色づく前で止めます。
ホールは炒め物や煮込みに。黒い種の部分は苦いので取り除きます。粉は仕上げに。
しびれの角が立ちすぎたときは、八角やナツメグを少し合わせると和らぎます。カルダモンやローリエを添えるとすっきりした側が伸び、レモングラスは柑橘の側を素直に伸ばします。
ほかの素材の香りの成り立ちは、スパイス事典にまとめています。
よくある質問
Q. 花椒と山椒は同じものですか?
A. 同じミカン科サンショウ属ですが、種が違います。しびれの成分サンショオールは共通で、香りは別ものです。
Q. 花椒はどう使うと香りが立ちますか?
A. フライパンで乾炒りしてから使います。殻が厚いので、熱を当てないと香りが出にくいためです。ただし炒りすぎると柑橘の香りが飛ぶので、色づく前で止めます。
Q. しびれが苦手でも使えますか?
A. 控えめにして、八角やナツメグを合わせると角が和らぎます。粉を仕上げに少しずつ加えると調整しやすくなります。











